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区域区分と地域地区

都市計画は段階を経て行われるものです。まず大きなエリア分けをして、そこをさらに細分化していく過程で、主体や内容も変わります。まず最初に行うのは都市計画を行う対象を選定する事です。都道府県単位で「はいこのエリア、都市計画法に基づく街づくりをしますよ~!」と指定します。これが「都市計画区域」と呼ばれるものです。ここでは対象に含まれないエリアはとりあえずそのままにしておいて・・という扱いになります。これが「都市計画区域外」です。こうしたエリア外でも将来的には市街化しそうだな~という地域に関しては、そのまま好き勝手に開発されるといつか都市として整備する際に支障をきたす可能性があるので、都市計画区域に準じる扱いをしようという事で「準都市計画区域」に指定されます。ここまでが第一段階です。

次に都市計画区域の中で「市街化区域」と「市街化調整区域」の線引きを行い、さらに対象を絞り込んでいきます。どこもかしこも発展させればいいというわけではありません。人々が集まり賑やかな場所もあれば、のどかな農の風景もある。そうしたバランスも必要なのです。これが区域区分と呼ばれるものです。都道府県知事によって市街化させるエリアと市街化を抑制するエリアを分けます。この場合にエリアが複数の自治体にまたがるような時は国土交通大臣が決めます。これが第二段階という事になります。

そしてここまででエリア分けされた地域を各市町村においてさらに細かくエリア分けするのが地域地区です。わかりやすいところで言えば用途地域があります。駅前の中心街ならば高層ビルやマンションの建築によって空中を有効に活用しなければなりませんので建蔽率・容積率の高い商業地域。ここは静かな住宅地になるよう第一種低層住居専用地域にして高い建物や危険性のある工場が作れないようにしようなどと用途に応じたエリア分けをします。これが第三段階です。

区域区分と地域地区は似たような概念・言葉なのでわかりずらい部分がありますが、まずは主体が異なるという事を覚えておいてください。より大きなくくりを都道府県レベルで定め、その先を市町村で定めるというイメージです。

区域区分と地域地区

大前提として区域区分や地域地区によってエリア分けするのは「都市計画区域」の中においてです。都市計画区域は「一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する」と都市計画法で定められています。「一体の都市として捉える」とは必ずしも区市町村の区域と同一ではなく、かつては複数の町村を一つの都市計画区域に指定する場合もあったようです。いずれにせよまずは対象となるべき地域を選び、そこを計画的に整備・開発・保全する。そしてそれに伴い土地利用の規制・誘導や都市施設の整備、そして市街地開発事業等が行われます。そのために区域区分を定め、地域地区を決めるのです。都市計画区域は、国土の25.7%を占めているに過ぎないですが、91.6%の人が住んでいます。こう見ると、都市として発展しているのがまさに都市計画区域の中においてであるということが見てとれます。準都市計画区域は例外的にある程度準ずるという扱いのため、以下割愛します。

区域区分

区域区分とは都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分ける事です。こうして分けることを「線引き」と呼ぶのせですが、この際線引きが行われず区域区分が定められていない部分がある場合、それを「非線引き区域」と呼びます。

市街化区域

すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域の事。少なくとも用途地域が指定されます。原則として1,000平方メートル未満の開発行為は、都市計画法による許可が不要となっています。開発行為と言うのは新築一戸建て分譲のために宅地造成するような事です。よほど大規模でなければ許可を得る必要はなく、建築基準法等の法令に反しない限り家を建てられるのです。

平成17年3月末時点で約143万ヘクタール、全国土の約3.8%に過ぎません。ところがそこに住む人は8,509万人と全国民の約67.1%にも及びます。

市街化調整区域

市街化を抑制すべき区域の事。開発行為や都市施設の整備は基本行われません。原則として用途地域を定めないものとされます。市街化区域のように一定の面積以下ならば許可なく開発行為が行えるという事もありません。開発を行うには規模の大小に関わらず基本都道府県知事の許可が必要となります。平成17年3月末時点で約373万ヘクタール、全国土の約9.9%を占めます。市街化区域の約2.6倍の広さですが、人口1,205万人で全国の9.5%を占める程度、市街化区域の約1/7しかありません。市街化が抑制され、人口密度が低い事の表れと言えます。

非線引き区域(区域区分が定められていない都市計画区域)

市街化区域または市街化調整区域として線引きされた以外の区域の事。用途地域を定めることができるとされます。平成17年3月末時点で約482万ヘクタール、全国土の約12.8%を占めます。人口は約2,079万人で全国比約16.4%となり、市街化区域の約3.3倍の広さがありますが、人口は約1/4程度です。法律上は「区域区分が定められていない都市計画区域」と表されます。

地域地区

都市計画区域内の土地についてどのような用途に利用するべきか、どの程度利用するべきかなどを決めます。地域地区は全部で21種類もあるのですが、中でも用途地域は私たちの生活環境に大きくかかわるものです。と言いますか、「初めに用途地域ありき」というイメージです。全21種類と言うものの、用途地域以外は「用途地域に重ねて指定する」ものであったり、「用途地域を補完する」ものです。言わば用途地域を基本ルールとして、その例外規定がつらつらと列挙され、例外規定があるエリアではそちらを優先すると考えればわかりやすいです。

用途地域は市街化区域では少なくとも定めるものとされます。また、都市計画区域外や非線引区域においても定めることができます。定めることができる・・とは義務ではなくて適宜定めても良いという事です。用途地域の他にも例えば「高度地区」「景観地区」「風致地区」など幾つかの地域地区については準都市計画区域内でも定めることができるとされています。以下で地域地区の中で主要なものをご説明します。それ以外のものについては「都市計画とは」をご参照ください。

用途地域

用途の混在を防ぐことを目的として定められた13種類の地域の事。住居系、商業系、工業系に大別されます。これまでは12種類でしたが、平成30年4月から「田園住居地域」が加わり、今後指定されていくこととなりました。

各種用途地域について

住居系の用途地域は「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「田園居住地域」の計8種、商業系は「近隣商業地域」「商業地域」の2種、工業系は「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」の3種です。

第一種低層住居専用地域

低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は50%、60%、80%、100%、150%、200%のいずれかとされます。10mまたは12mの高さ制限(絶対高さ制限)があり、どちらになるのかは都市計画によります。閑静な住宅街を想定し、住宅、共同住宅、幼稚園、小学校、中学校などの建築が可能。工場や遊戯施設はもちろんのこと、店舗も基本建築できません。

第二種低層住居専用地域

主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は50%、60%、80%、100%、150%、200%のいずれかとされます。10mまたは12mの高さ制限(絶対高さ制限)があり、どちらになるのかは都市計画によります。第一種低層住宅専用地域で建築できるものに加えて、店舗も建築できます(150m²以下の一定のお店)

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。大学、専修学校、500㎡までの一定のお店などが建てられます。

第二種中高層住居専用地域

主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。大学、専修学校、1500㎡までの一定のお店などが建てられます。

第一種住居地域

住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は50%、60%、80%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。3000㎡までの店舗・事務所・ホテルなどは建てられます。

第二種住居地域

主として住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は50%、60%、80%のいずれか、容積率は200%、300%、400%のいずれかとされます。店舗・事務所・ホテルなどが建てられます。

準住居地域

道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域。建ぺい率は50%、60%、80%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。

田園居住地域

農地や農業関連施設などと調和した低層住宅の良好な住環境を守るための地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は50%、60%、80%、100%、150%、200%のいずれかとされます。

近隣商業地域

近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域。建ぺい率は、容積率は60%、80%のいずれか、100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。近隣の住民が日用品の買物をする店舗などのほか、住宅や店舗、小規模の工場も建てられます。

商業地域

主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域。建ぺい率の限度が原則80%、容積率は200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、1100%、1200%、1300%のいずれかとされます。工場や危険物等に規制があるほかは、風俗施設含めほとんど全ての商業施設が規制なく建築できます。

準工業地域

主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域。建ぺい率は50%、60%、70%、80%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%、500%のいずれかとされます。危険性・環境悪化が大きい工場のほかはほとんど建てられられます。

工業地域

主として工業の利便を増進するため定める地域。建ぺい率は50%、60%のいずれか、容積率は100%、150%、200%、300%、400%のいずれかとされます。どんな工場でも建てられ、住宅も建築可能ですが、学校・病院・ホテルなどは建てられません。

工業専用地域

工業の利便を増進するため定める地域。建ぺい率は30%、40%、50%、60%のいずれか、容積率は00%、150%、200%、300%、400%のいずれかとされます。どんな工場でも建てられるが、住宅・お店・学校・病院・ホテルなどは建てられません。

用途地域で定める事ができる事項

  • 建物の種類・・・住宅・店舗・事務所・遊戯施設・学校・病院・工場などかなり細分化し、それぞれの用途地域で建築できるもの、できないものを種類、大きさなどで定めます。
  • 建ぺい率・・・商業地区のみ原則80%と定められている以外は30%、40%、50%、60%などのようにそれぞれの用途地域ごとに定められた範囲内で定めます。
  • 容積率・・・用途地域ごとに定められた範囲内で定めます。
  • 高さ制限・・・第一種及び第二種低層住居専用地域では10mまたは12mの高さ制限をします。新たに導入された田園住居地域においては高さの限度が定められます。
  • 前面道路幅員別容積率制限・・・前面道路の幅員が12m未満の場合に、その前面道路の幅員によって容積率に制限を加えます。都市計画で定める容積率と前面道路の幅員による容積率のうち小さいものを上限とします。第一種及び第二種低層住居専用地域では前面道路幅員×40%、第一種及び第二種中高層住居専用地域、第一種及び第二種住居地域、準住居地域では前面道路幅員×40%(指定区域では60%)、それ以外では前面道路幅員×60%(指定区域では40%または80%) となります。例えば第一種中高層住居専用地域で都市計画では容積率200%であったとします。ここで前面道路が4mの場合、4×0.4=1.6つまり160%となります。5mならば200%です。前面道路5m以上ならば都市計画で指定された通りの容積率となり、5m未満だと幅員による制限を受けるという事です。
  • 道路斜線制限・・・道路面の日照や通風を確保し、あわせて周辺の建物の採光や通風をも確保するため建築物の高さを制限する事ができます。前面道路の反対側境界線を起点とする一定こう配の斜線の範囲内に収めなくてはならないというものです。
  • 隣地斜線制限・・・隣地の日当たりおよび風通しを維持することを目的として、建築物の高さを制限する事ができます。隣地の境界線を起点として「高さ」と「斜線の勾配(角度)」によって規制されます。
  • 日影規制・・・周辺の居住環境を保護するため日影により建築物の高さを制限することができます。商業地域、工業地域、工業専用地域では基本的に日影規制の適用がありませんが、これらの地域にある高さ10 mを超える建築物について、規制の対象区域に日影を発生させる場合は日影規制が適用されます。

特別用途地区

用途地域の内部において、用途地域よりもさらにきめ細かい建築規制を実施するために設定される地区。既に定められている用途地域に重ねて設定するもので、より厳しく制限したり、反対に緩和することでその地区の特性にふさわしい環境を整えます。地方公共団体の条例で定めます。かつては文教地区、特別工業地区、厚生地区、特別業務地区、中高層階住居専用地区、商業専用地区、小売店舗地区、事務所地区、娯楽・レクリエーション地区、観光地区、研究開発地区という11種類に限定されていましたが、1998年(平成10年)の法改正により現在ではこれら11種類だけでなく、さまざまな特別用途地区が市町村の判断により設置することができるようになりました。多摩エリアだと国立市が「文教区」。

特定用途制限地域

用途地域がないエリアでは、「特別用途地区」に代わるものとして「特定用途制限地域」を設ける事ができます。準都市計画区域あるいは非線引区域において、良好な住環境をつくるため、または良好な住環境を保っていくため、住環境にそぐわない建物を制限します。パチンコ店は建築できないなど。地方公共団体の条例で定めます。

特例容積率適用地区

容積率の限度からみて未利用となっている容積の活用を促進して、土地の高度利用を図るために定める地区。一般的に、容積率の移転は隣接する敷地の間でしか認められないですが、特例容積率適用区域制度では、その区域内であれば隣接していない建築敷地の間で移転が認められます。第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・工業専用地域以外のすべての用途地域に適用されます。これにより区域内での「空中権」の売買が可能となります。

空中権は以下二つの意味を持ちます。

  1. 土地の上空の空間の一部を使用する権利
  2. 容積率に余裕がある土地の未利用容積率を他の土地へ移転する権利

1、土地の上空の空間の一部を使用する権利

土地の上の空間の上下の範囲を定めて設定される地上権または地役権の事で、「区分地上権」、または「区分地上権に準ずる地役権」として法制化されています。ここでの空中権は、電線や橋梁のために設定するようなケースが想定されます。空中を利用する事のできる権利という意味合いです。

2、容積率に余裕がある土地の未利用容積率を他の土地へ移転する権利

容積率に定められている制限を超える延べ床面積の建物を建設することはできませんが、隣接している建物が容積率を持て余している(もしくは欲している)場合に、空中権を設定し売買することで、事実上容積率を売買することが可能となります。敷地上空の余剰容積率を一つの権利として譲渡できるという点が画期的でした。有名なのは東京駅です。500億円と言われる工事費を空中権の売却によって調達したとの事。特例容積率適用地区では空中権を隣地以外にも移転できるというのが要点です。

高層住居誘導地区

都心に高層住宅の建設を誘導するために指定した地区の事。容積率の限度が400%と定められている用途地域の中において、建築物の用途を「住宅」としたときには容積率の限度を最高で600%にまで引き上げる事ができます。対象となるのは第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域において。

高度地区または高度利用地区

まずこの二つの言葉は似ているようですが、意味するところは違います。簡単に言えば、「高度地区」は高さの最高限度または最低限度を定める事。つまり高さを制限する事です。「高度地用地区」は土地の高度利用を図る地区です。高度利用は「有効活用」に置き換えるとわかりやすいです。

高度地区

市街地の環境の維持や土地利用の増進を図るため建築物の高さを定めた地区の事です。高さの最高限度または最低限度を定めます。用途地域の指定があるところに重ねて指定され、用途地域の指定を補完します。最高限度を定める場合は日照や採光の確保、景観の維持・形成など環境維持を目的とします。最低限度を定める場合は土地の高度利用による土地利用の増進を目的とします。

高度地用地区

住宅密集市街地などにおいて、細分化された敷地を統合し一体的な再開発を行なうことで、高層ビル群を建てれるようにした地区の事。小規模建築物の建築を抑制しつつ、高層なビルを建て街の再開発を行いやすい環境を整えます。

特定街区

都市基盤の整った街区などにおいて、既定の容積率や建築基準法の高さ制限を適用せず、細分化された敷地を統合し一体的な再開発を行なうことで、高層ビル群を建てれるようにした地区の事。前項の高度利用地区が住宅密集地などで指定されるのに対して、こちらは相当規模の都市基盤が整った街区などで指定されます。特定街区では建築物の容積率、建築物の高さの最高限度、壁面の位置について定めます。

都市再生特別地区

都市再生緊急整備地域のうち、都市に貢献し、土地の合理的・健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域において、都市計画において定められる地区では誘導すべき用途、容積率の最高限度および最低限度、建ぺい率の最高限度、壁面の位置の制限等を定めるものの、用途制限や建ぺい率・容積率・高さの最高限度・斜線制限・日影規制などの規制を除外でき、新たに定めることができます。都市再生特別措置法により創設されました。

防火地域または準防火地域

火災の被害が起きやすい地域、そして火災を防ぐために予防しなければならない地域に定められます。住宅の密集する市街地ではひとたび火事が起これば延焼によって甚大な被害が出る可能性があります。ですから用途地域の中でも人が集まる事が想定される「商業地域」において防火地域に指定されることが多いものの、地域によってはほぼ全域がこの防火地域とされる事もあります。また、防火地域・準防火地域に指定される地域以外でも、特定行政庁が指定する「屋根不燃区域」においては、屋根を不燃材料の瓦、彩色セメント系スレート板(カラーベストコロニアル)などとするか、または不燃材料で葺く事が義務付けられています。建築基準法22条に規定されるため「法22条区域」と呼ばれます。尚、1つの建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合、あるいは防火地域または準防火地域と指定のない地域にまたがる場合などは、その建築物全体に対して「制限の厳しいほうの規定」が適用されます。

防火地域

防火地域は住宅密集地や商業地などの市街地の中心部、その他、広域避難場所や災害地の避難路となる幹線道路沿いなど、多くの建物や商業施設が密集し、火災などが起これば大惨事になりかねない地域として、建物の構造に関して厳し制限が加えられます。ここでは、すべての建築物は少なくとも「準耐火建築物」としなければならず、地階を含む二階建ての建物について100平米を超える場合、あるいは地階を含む階数が3階以上の場合は鉄筋コンクリート造などの「耐火建築物」としなければなりません。ただし、延べ面積が50㎡以内の平屋建ての付属建築物で、外壁および軒裏が防火構造のもの、高さ2m以下の門または塀、高さ2mを超える門または塀で、不燃材料で造り、または覆われたものについては準耐火建築物(耐火建築物)にしなくても良いとされます。

準防火地域

準防火地域は防火地域の周辺地域に指定されることが多く、防火地域よりも制限は緩やかになっています。階数、面積によって耐火建築物または準耐火建築物とするか、あるいは制限がないものとなるのかが決められます。階数については地階は含めません。

  1. 建築物が地上4階以上・・・耐火建築物
  2. 建築物の延べ面積が1,500㎡超・・・耐火建築物
  3. 建築物が地上3階建て延べ面積が500㎡超1,500㎡以下・・・準耐火建築以上(耐火建築物も可)
  4. 建築物が地上3階建て延べ面積が500㎡以下・・・技術的基準適合建築物以上(耐火建築物・準耐火建築物も可)
  5. 建築物が地上1階または2階建て延べ面積が500㎡超1,500㎡以下・・・準耐火建築以上(耐火建築物も可)
  6. 建築物が地上1階または2階建て延べ面積が500㎡以下・・・規制なし(木造建築物等の場合は、隣地から一定の距離内で延焼のおそれのある部分の外壁や軒裏は防火構造とすることが求めらます)

耐火建築物

主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)が耐火構造(鉄筋コンクリート造、れんが造等)であるもの又は耐火性能検証法等により火災が終了するまで耐えられることが確認されたもので、外壁の開口部で延焼のおそれがある部分に規定の構造の防火戸その他の防火設備を有するものをいいます。

耐火構造

耐火構造とは、壁、柱、床、その他の建築物の構造のうち、耐火性能の基準に適合する構造で、国土交通大臣が定めたもの(平12 建告1399)又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。
 耐火性能とは、通常の火災が終了するまで倒壊、延焼を防止するために必要とされる性能のことで、火熱が右表に示された時間加えられた場合でも構造耐力上支障のないものをいいます。

準耐火建築物

耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(法2 条9 号の3 イ)又はそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。

準耐火構造

壁、床、柱等の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能の基準に適合する構造で、国土交通大臣が定めたもの(平12 建告1358)又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために必要とされる性能で、火熱が加えられた場合に、加熱開始後、右表に示された時間において構造耐力上支障のないものをいいます。

3階建ての技術基準適合建築物

地上3階建て建築物の外壁と軒裏は必ず防火構造とし、屋根は不燃材料でふき、外壁の開口部に防火戸を付ける必要があります。また、木造の柱・梁は一定以上の太さとするか、または石膏ボードなどで覆うことが必要となります。

防火構造

建物の外壁や軒裏について、建物の周囲で火災が発生した場合に、外壁や軒裏が延焼を抑制するために一定の防火性能を持つような構造のこと。「耐火構造」「準耐火構造」は建物内部で火災が起きた際にも、当該建物自体の倒壊や周囲への延焼を防ぐような構造を指しているの対し、防火構造は、建物の周囲で火災が起きたときに、当該建物が火災に巻き込まれないために必要とされる外壁や軒裏の構造のことを指します。

景観地区

市街地の良好な景観を形成するための地区。景観法により規定されます。建築物の形態意匠(デザイン・色彩など)や規模などについて規制できます。

風致地区

都市計画区域内の住環境の優れた地域において指定されます。緑豊かでゆとりのある環境が維持されるよう地方公共団体の条例により、建築物の高さや建ぺい率などが厳しく規制されます。

生産緑地地区

市街化区域内の農地を残すために、売買や建築を制限する地区。生産緑地法によるもので、生産緑地地区内では、建築物等の新改築、宅地造成などについて市町村長の許可を受けなければなりません。そして原則として、農林漁業を営むために必要な建築や造成等でなければ許可されません。生産緑地は、税制上の優遇措置を受ける事ができます。

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