物件購入

不動産の資産価値と道路

不動産の資産価値は不変ではありません。今までさほど高額ではなかった土地が値上がりしたり、反対に一時期かなりの値段だったものが段々値下がりしてしまうような事が起こります。それは何故なのでしょう?一言で言えば人気のあるなしです。言い換えれば需要と供給のバランスが価格を決定するという事です。

不動産の価値

不動産の価値は建物と土地とで異なります。何故なら一方はいずれ形を失くしてしまうかもしれない人工物、他方はいつまでもその姿を保ち続ける大地だからです。よく言われるように一戸建てなら最低でも土地の価格分は残るという表現がまさにこれを表します。

建物固有の価値評価

建物はその建造にかかる費用を考慮せずに価値を計れません。建てるのにどれくらいのお金がかかったのかを一つの基準として、そこに生活するという主観が加えられます。通常建築費の違いによって設備などに差異を生じます。より快適で、デザイン性に優れた建物の方が高い評価を受けるものです。しかし、こだわり抜いて建てた家がそのまま高評価に繋がるのかと言えば、必ずしもそうではありません。建てた人にとって価値の高いものであっても、その後その建物を売却する際には買い手側に評価を委ねるからです。

仮に建てた人と同様の価値観を持った人が現れるのなら、建築コストに見合った金額で買い取ってくれるかもしれません。けれども、現実にはそうした幸運なマッチングはそう多く起こりません。買う側にとっては、凝った造りや機能は不要かもしれないからです。その建物の需要が少なければ、売り手の希望をそのまま反映し続ける事ができなくなります。売れなくてもいいやというのなら仕方ありませんが、売りたいと思うのなら買い手の評価にまで降りてくる必要があるからです。

そしてまた、建物は建った瞬間から価値が減少し始めます。人間の造る物は永遠ではありません。少しずつ傷み、価値も下がっていきます。定期的にメンテナンスを行えば、価値の減少をある程度食い止められるにせよ、建築当時の価値を維持し続ける事は不可能です。

まとめると、建物は建築費用、評価者の主観、築年数を総合的に判断してその価値を評価します。

土地固有の価値評価

土地はその使用価値によって評価されます。公示価格なども評価の一助となりますが、それだけではありません。そもそも農地は宅地として簡単に売り買いできませんし、もし売買するなら農地法による許可を得るなどの手続きが必要とされます。「田」や「畑」などの農地以外の「宅地」「雑種地」などについてここで取り上げます。

対象となる土地に制限があるとすればその土地の使用価値は減少します。例えば「再建築不可」という縛りがあるとするなら、その土地上に建っている建物が老朽化してしまうと、その後その場所で建て替えができません。中古物件としてまだ価値のある土地と建物であっても、将来を考えれば躊躇してしまう事でしょう。その建物で生活できなくなったとしたら、今度その土地を何に利用すればよいのかという問題が出てきます。そうなると需要がグッと減ります。極端な話、隣接する同規模・同形状の中古一戸建てが売り出されたとして、一方が再建築可能、他方が再建築不可だとすると、両者の売り出し価格には大きな差が出る事でしょう。再建築不可と言う縛りは土地の評価を著しく損なうものなのです。再建築ができなくなる理由は道路付けなのですが、それは後述します。

土地は法令によってその利用方法が規定されるため、それぞれの土地がどのような法令によってどのように制限されるのかに注目しなければなりません。建ぺい率や容積率は建物を建てる際に守らなければならない数値です。これは用途地域ごとに異なる割合が設定されています。用途地域は都市計画法によってどのような町づくりを行うのかを定めたもので、例えば第一種低層住居専用地域では居住用住宅の立ち並ぶエリアとして、隣地との間隔をほどよく保ち、日照を確保できるよう高さの制限などを設けています。商業地域は駅前の一等地を有効に活用するために敷地いっぱい、そしてより高く建物を建てられるよう建蔽率、容積率が設定されます。

どのような建物を建て、どう活用するのかによって求める土地は変わってきます。その際に法令による縛りは絶対のものですから、それを踏まえて物件を探す必要があるわけです。逆に言うと土地の利用価値は法令による縛りを免れないという事でもあるのです。

土地・建物共通の価値評価

不動産の価値を左右する最大の物の一つが立地です。駅から近いだとか、近くに魅力的な施設があるだとか、多くの人が住みたいと思うエリアでは人気が集まり、不動産も高評価を受けます。地名がブランド化すればその持てる利便性以上に付加価値が付く事もあります。逆に駅から遠く、利便性が悪ければ需要は低下し評価もそこそことなります。また、近くに嫌悪施設があるような場合もマイナスポイントとなります。立地は基本的には土地についての属性です。しかし、前述した用途地域との関連性もあいまって、そのエリアならではの建物としての評価も加えられるという意味で、建物に対しても評価を左右するものとみなしました。

道路と資産価値

家を建てるには建築基準法上の道路に2m以上接していなければいけないという決まりがあります。これを接道義務と言います。これはどういう事かと言うと、建築基準法という法律で認められた道路に2m以上接していなければ家を建てられないよ!という事なのです。家が建てられなければ当然住宅用地としては用をなしませんから資産価値は下がります。建築基準法上の道路がどういうものかについては「簡単早わかり!建築基準法上の道路」をご参照いただくとして、ともかくも住宅用地と道路には切っても切れない関係があるという事なのです。

隣の敷地を通らないと道路に出れないとか、人ひとりがやっと通れるような通路にしか面していないような場合、接道義務を果たしていないため建て替えのための建築確認が下りません。そうなると再建築不可の物件となりほぼ流通されず、資産価値を評価するもしないもなくなってしまいます。キツイ言い方になりますが、流通しないならば価値の付けようがないからです。

もし所有している土地が建築基準法上の道路に接していないのなら、接道している私道などについて位置指定をとるなどして接道義務を果たせるように努めなければ、周囲に比べて著しく資産価値を減じてしまいます。私道部分に持ち分があったとして、道路として認定されてしまえば、その部分については「自分の物でもあっても自分の物ではない状態」になります。一見すると自分の土地を失ってしまうかのように思われるのですが、そうではありません。接道義務を果たしていないため市場価値を減じていた土地がその価値を取り戻し、却って資産価値は増えると捉えればいいのです。

道路の持ち分は考慮しない

上記内容とかぶりますが、前面道路に持ち分を持っている場合に、その部分を資産としてカウントしても意味がありません。土地は土地ですし、道路部分の持ち分であっても、持てばなんか嬉しいのはわかります。道路に面する全世帯の共有という事で世帯数で道路の面積を割ると、何平米かにはなるでしょう。場合によっては10平米を超えるかもしれません。でもそれはあくまで道路そのものであって資産価値のある土地として評価される事はありません。前面道路に持ち分がある事で、それを利用できるものであり、本体である建物を建てるべき部分の前提条件のようなものとして考えておけばいいのかと思います。

 

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