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一戸建ての工法についての基礎知識

一戸建て住宅の工法についてなんとなくわかりにくいと感じている人が多いのではないでしょうか。木造軸組工法やツーバイフォー工法など知っているようでイマイチよくわからない一戸建ての工法についてご説明します。

木造軸組工法とツーバイフォー工法

木造軸組工法は伝統的な日本の建築工法という意味で在来工法とも呼ばれます。
ツーバイフォー(2×4)工法は北米生まれでそれが日本に導入されるようになったものです。
木造軸組み工法が線、ツーバイフォーが面で家を作ると言われます。
両者の違いをわかりやすいようにシンプルに表してみると・・・

木造軸組工法は脊椎動物。ツーバイフォーはカブトムシと例えてみます。
余計わかりづらいよ・・・と思われた方もう少しお付き合い下さい。

木造軸組工法は最初に骨組みを作ってそこに肉付けしていくイメージです。
人間で例えるなら大黒柱が背骨、そして足や腕などを支える大きな骨、
そこから梁のような骨が広がり骨格を形成し、後から肉付けを行います。

ツーバイフォーは外回りを硬いがっちりとした甲殻で覆ったカブトムシ。
外回りが頑丈なので内部はスカスカでも大丈夫。
ツーバイフォーはよくマッチ箱に例えられるのですが、四方の壁をがっちりと固めて、
小さいマッチ箱を並べたりくみ上げたりして家を作ります。

どうでしょう?なんとなくイメージがわきましたか?

木造軸組工法(在来工法)

日本の昔からの家の建て方ですね。法隆寺に代表されるように、日本では古来より木で家を建ててきました。
寺社建築と一般建築を同じにするわけにはいきませんが、「木造」という括りでは同じです。
木造建築はとにかく自由度が高い。木と木を組み合わせて何もないところにあっという間に構造物ができます。

森林が多く、木材を利用しやすい環境であったのと、四季があり夏冬の寒暖の差が激しい上、夏はかなりの高温多湿となる事から家全体が呼吸する必要があったため木造が適していたのでしょう。

夏は膨張し、冬は縮む。その繰り返しにも木はなんてことなく耐えます。
コンクリート壁だと膨らんだり凹んだりするのとは対照的です。
また湿気の多い室内の空気がこもらないよう、開口を大きくとって通風を良くし、
室内に調湿効果のある素材を用いたわけです。
柱、土壁、漆喰、畳という水を含んだり放出したりするナチュラルな建材がこの風土にあっていたのですね。

木造軸組工法
木造軸組工法は上図のように縦・横・斜めの木材が接合されて立ち上がります。
日本の木造建築の面白いところは、同じ木材でも用いられる箇所によって呼び名が変わる事です。
水平材(横架材)では、基礎の上に「土台」、土台に接続される大引き、さらに大引きの上に根太というように、
使われ方、用いられる箇所ごとに呼び方を変えるのですね。面白いものです。

例えばまったく同じ木材を使ったとしても床周辺ならば根太、屋根ならば垂木(たるき)となるわけです。
胴縁、胴差、母屋、野地板などの豊富な言い回し・・・ほんと日本人って細やかで繊細なんですよね。

木造軸組工法のメリット

  • 昔からある日本古来の工法のため技術が確立し、大工さんの技能も熟練している。施工・対応できる業者が多いのも特徴。
  • 間取りの変更がしやすい。取り壊せないものもありますが、間仕切りの壁などをとっぱらっても大丈夫。
  • 増改築しやすい。ただし、建築基準法上の問題が出る可能性はあります。
  • 真壁造りにすることにより、木が持っている調湿効果を期待することができる。
  • 建築費、工事費がお手ごろ。

木造軸組工法のデメリット

  • 施工者の技量によって差が出やすい。現地加工が多いほど、職人の腕によって左右されます。
  • 大地震で接合部分が外れてしまうと倒壊してしまう事がある
  • ツーバイフォーに比べて建築費に占める大工手間(大工さんの人件費)が大きい
  • ツーバイフォーに比べて工期が長い

木造軸組工法による新築一戸建てはプレカット工法が普及したため、出来る限り現地で加工しない方向になってきました。工場加工の建材なら狂いも少なく仕上がりにばらつきが出にくくなります。また、接続部分に接合金具を用いる事で大地震による倒壊のリスクを軽減する事ができます。

阪神大震災、東日本大震災を経て耐震性に対する基準はかなり厳しくなりました。接合金具の使用があたり前となり、木造軸組工法も日々進化しているのです。

筋交い

木造軸組み工法では建物の強度や耐震性を向上させるために筋交いが有効です。柱と柱の間に斜めに入れるこの筋交いですが、斜めに一本入れるだけの「片筋交い」と交差させる「たすき掛け」が見られます。片筋交いはたすき掛けの半分ほどの壁倍率しかなく、しかも力のかかり具合によっては接続部がはずれてしまう事があるため、地震時の倒壊のリスクがあります。現在では接合金具を用いる事でこうした弱点を補うようになりましたが、古い建物では金具による補強が必要となるでしょう。

ツーバイフォー(2×4)工法

厚さ2インチ×幅4インチの角材で構成された枠組に構造用の合板を打ち付けたパネルによって、壁や床を構成する工法をその角材のサイズから「2×4工法」といいます。正式には木造枠組壁構法といい、壁で構造体を作ります。

ツーバイフォー工法のメリット

  • それぞれの部屋が四方を耐力壁で囲まれたものの総体なので耐震性・耐風性に優れる
  • 工法のシステム化・マニュアル化が進んでいるので工期が短く、仕上げにばらつきが出にくい
  • 壁が強固に接続する「剛接合」であるため機密性が高く、結果として防火性、断熱性も高い

ツーバイフォー工法のデメリット

  • 耐震性が壁によって確保されているため、箱のような形になってしまい間取りの制限を受けます。また、将来的な壁の撤去や貫通などはできず間取りの変更が困難です。
  • 開口部を大きくとりにくい。壁一枚一枚が大事なので、開口を大きくとると壁の強度が下がり、耐震性も低下します。
  • 木造軸組工法のような真壁作りができず(大壁)、木材による調湿効果が期待できない。
  • 機密性の高さから湿気がこもり結露が起こりやすい

木造軸組みパネル工法

木造軸組工法にツーバーフォーの長所を取り入れたような工法です。
基本的には柱、梁など通常通りの木造軸組工法で家を建てます。ところが、壁を仕上げる前に厚みのある構造用合板(パネル)を打ち付ける事で、頑丈な箱のような造りとなります。

木造軸組工法の間取り変更のしやすさに加え、耐力壁で耐震性を持たせるという、
言わば木造軸組工法とツーバイフォーのいいとこ取りみたいな作り方ですね。
今の新築一戸建てではパネル工法による建築が増えました。
各種メーカー、建売業者によって言い方は違いますが、要点としては木造軸組み工法で建築を進めつつ、
耐力壁パネルを外壁に張り巡らせる事で面で建物を支え頑丈な建物にします。

ただし、壁倍率で比較した場合パネル工法が2×4住宅と同等とは言えません。数値的に2×4工法の方が優れています。また、構造用合板は比較的安価であるというメリットがある反面、腐食したり火に弱いというデメリットがあります。

ダイライト構法

ダイライトを在来軸組構法の外壁と内壁の下地材に耐力面材として用いる新しい壁構造です。この構法はきわめて、高耐力・高強度を誇るために、災害に強い、 丈夫で長持ちする住まいを作ることができます。あくまで木造軸組工法であり、ダイライトという建材を下地材として用いる事からこの名称となっています。
上記木造軸組パネル工法と理屈は同じです。耐力面材として構造用合板(パネル)を使うのか、それともダイライト(燃えにくい無機質原料でできている)を使うのかの違いです。

メリットとしては燃えにくく、腐りにくいという事です。デメリットとしては構造用合板に比べるとコストがかかるという事です。

木質パネル工法

ツーバイフォー工法と同じように耐力壁によって建物を支える工法。ツーバイフォー工法では2×4インチの枠材が耐力壁を構成する基本材になっている が、こ の工法では複層・強化された木質パネルそのものが耐力壁を構成。木質系プレハブ住宅の他に、一部の輸入住宅に採用されている。

パネル工法やダイライト工法の普及

耐震性への関心の高まりから木造軸組工法に耐力面材を併用する建築方法が増えました。言わば耐力面材併用型木造軸組工法とでも言えばいいのでしょうか。パネル工法、ダイライト工法など言い方は異なりますが根っこは同じです。「耐力壁」によって地震や風による横揺れに耐える住宅を作ります。

住宅性能表示制度の普及も一役買っているのかもしれません。「耐震等級で最高等級取得済み!」みたいな広告文句をよく見かけるようになりましたね。地震の多いわが国では耐震性についてどんなに考慮してもしすぎる事はありません。こうした流れは歓迎すべきものです。

ただ、忘れてならないのはこうした構造ではまず第一に軸組の接合がしっかりなされている事です。接合金具が適切に用いられ、耐力壁には筋交いが入れられる。筋交いだってたすき掛けにすれば耐力面材を用いた場合以上の強さに出ますしね。これら一つ一つがしっかりなされて安心して暮らせる家が作られるのですね。

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