お知らせ

木材について

日本の家屋と木材は切っても切れない関係にあります。世界最古の木造建築物「法隆寺」を代表として、日本の至る所に歴史的な木造建築物があるだけでなく、私達の住まう住宅にも木材は使われ、日常の中に満ち溢れています。湿度の高いこの日本の風土において、多種多様な木材の特徴をそれこそ適材適所で用いてきた先人達の知識と知恵、そして技術に驚嘆せずにはいられないのです。

木材を一言で表すと

木材は軽い割には強く耐久性のある素材と言えます。建築物の構造としては木造、ALC(軽量鉄骨)造、RC(鉄筋コンクリート)造、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造など幾種類かありますが、それぞれ大きさや高さに応じてどれにするのかを選びます。例えばマンションなど比較的高い建築物で採用されるRC(鉄筋コンクリート)造では引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを組み合わせる事でそれぞれの長所を生かした強固な構造を実現します。鉄と木を単純に比べたら鉄の方がより高い数値を示します。しかし、これを密度あたりの引っ張り強さを示す物理量「比強度」で比べると木材は鉄よりも高い数値を示します。比較する条件によっては4倍以上の強さを示す事もあるのです。また、圧縮に対して同じように密度辺りの強さで比較すると木材はコンクリート以上の性能を有する事がわかります。つまり、木材は「軽さの割に高スペック」な建築材なのです。

また、先述した法隆寺に見られるように特定の条件をクリアすれば1000年以上その姿をとどめる事ができます。木材の種類や高度な製材技術、適切なメンテナンスをすれば、一般の家屋でもかなりの年月を耐える事ができます。

日本で木造建築が発達したのには理由がある

私たちの住むこの日本はご存知の通り資源の少ない国です。先進国として世界中の国にたくさんの優れた製品を輸出するも、それらの原材料は輸入に頼っている事からもわかります。それでも、まったく資源がないのかと言えば、そうではありません。その一つがこの木材です。日本の森林面積は国土の約3分の2にも及びます。現在がそうですからかつてはもっとたくさんの森林があったのでしょう。私達の祖先は山や森の恵みを受け、里山と共に暮らしてきました。インフラが整う前の生活では、煮炊きは薪、住居は雑木林から木を切り出して資材としていました。そして、切り倒した後には苗木を植えいつかまた利用できるように森を再生させてきたのです。そうこの「再生」という言葉こそが日本の生活の根本だったのです。取りっ放し、使いっ放しではいつか資源が枯渇してしまったでしょう。そうではなく、人が山や森、そして林に手を加えながら、持続的に利用する努力をしてきたからこそ、豊かな自然を残したまま、生活を送り発展を遂げたのです。里山とかかわり、そこから多くの恵みを受け取り、同時に手入れをしながら資源を持続的に利用するには木と上手に付き合う事が理にかなっていたわけです。

容易に切り出して取得可能で、加工も簡単、自在に生活空間を生み出せる。そして湿気の多い風土に適した調湿機能を持ち、使ってもまた再生可能な資源が住環境を整える主役となったのも無理からぬことだったのでしょう。

木材について

一本の丸太を製材して使う場合に使う部分に応じて異なる呼び方をします。丸太の中心部分である「髄」または「樹心」の周辺部は色も濃く心材(赤身)と呼ばれます。さらにその外周から樹皮にかけて色の薄い部分があるのですが、これを辺材(白太)と呼びます。(エゾマツやトドマツ、ベイツガ等のように中心部と外辺部で色の違いが見られず、心材と辺材の区別がほとんどできないものもあります。)そもそもどうしてこのような色の違いが生まれるのかと言うと、木は樹皮に近い外回りの部分は新陳代謝を繰り返し成長しているのですが、中心に近い部分では活動を停止してしまっているという事情があります。木は成長の過程で樹液を通す導管が外側に次々誕生する一方で、10年以上も経過するころには中心側の導管は役割を終え、木の構造を支え、フェノール類などの抽出成分を含んで腐食や害虫の浸入を阻止する役目を担います。こうして少しずつ外側に厚みを増しながら年輪を刻んでいきます。日本において、木は春から初秋にかけて細胞分裂を起こして幹を太くするのですが、この期間の前半と後半では細胞の形状や大きさが変わります。それぞれの時期によって材としての特徴も変わってくるのです。

心材(赤身)と辺材(白太)

心材(赤身)

細胞に色素や腐りに抵抗力のある数々の「心材物質」が堆積してゆき色が濃くなる。耐朽性があり、シロアリなどの食害に強い。湿気にさらされる土台や柱などの構造部分にはこの心材を使います。

辺材(白太)

木の生命活動を担う部分の為、軽量ながら適度な強度と断熱性を持つ。ただし、水の通り道となるため含水率が心材と比べて高く、また栄養素を含む事から腐りやすく害虫にも弱い。構造材以外の部分に使用されます。

早材(春材)と晩材(秋材)

早材(春材)

春から夏にかけての前半に形成される部分は「早材」または「春材」と呼ばれ、針葉樹では早材の細胞の形が大きく、壁の厚さが薄く、色も薄くなります。

晩材(秋材)

夏から夏の終わりにかけての後半に形成される部分は「晩材」または「秋材」あるいは「夏材」と呼ばれ、細胞壁が厚いため濃くなります。

木材の種類

日本で使われる木材には大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。針葉樹はその名称の通り葉が針のように細長いもので、寒冷地から温帯にかけて生育します。一般に直線的な幹と小さめな樹幹を持ち、気候の影響から明瞭な年輪を形成します。英語ではソフトウッド、軽くて柔らかなのですが、割と強いという性質を持ちます。建築用途としては柱・梁・桁などの構造材、和風建築の造作・建具材のなどに使われる事が多いです。広葉樹は平たくて幅の広い葉を持ち、太く枝分かれしているなどします。英語ではハードウッド、重くて硬い材質となります。建築用途としては造作・内装材・化粧材として多く使われています。

針葉樹

  • スギ・・・本州から四国、九州そして屋久島まで幅広く生育する日本固有の針葉樹で、心材は赤みを帯びた褐色もしくは淡い紅色をしており、辺材は白もしくは淡い黄色をしています。古くから木材として用いられ、植林されてきました。スギ花粉などが社会問題化された時期もありました。木材の中でも軽く、軟らかい部類で、加工がしやすく、保存性もそこそこよいことから住居をはじめ、多くの用途に使われています。
  • ヒノキ・・・本州中部(福島県)から西、四国や九州に分布し、日本と台湾のみに生育します。心材は淡い黄色もしくは褐色、紅色で、辺材は淡い白もしくは黄色をしています。ヒノキは古来より最高品質の材として用いられ、加工が容易な上に緻密で狂いがなく、さらに保存性に優れた木材として重宝されてきました。現存する世界最古の木造建築物「法隆寺」を初めとして、歴史的な建築物が今なおその姿を残しているのはこのヒノキを用いたからこそだと言えそうです。檜風呂に入ると漂ってくる独特の芳香も特徴の一つです。比重は軽く、やわらかめの樹種ですが、曲げ弾性強度や引張強度など杉に比べても強い木材です。なお、肌目は細かく、木理も真っすぐです。
  • モミ・・・本州中南部(秋田県が北端)、四国、九州さらに屋久島と広く分布するマツ科の針葉樹です。材木の色は、白色で心材と辺材の区別はほとんどつきません。肌目は粗く、木理は真っすぐ通っています。保存性はあまりよくありませんが、加工性はよい木材です。建築、建具、包装、器具、棺、卒塔婆(そとうば)、蒲鉾の板、パルプ材などに用いられほか、クリスマスツリーの木としても知られます。
  • ツガ・・・関東以南の本州、四国、九州、屋久島などに分布します。モミとともに、比較的低い処で、モミ・ツガ林を形づくる事がある事が知られます。建築材、包装、車両、パルプ材、枕木、器具、長押、敷居、鴨居などの用途があります。建築現場でもよく耳にするのですが、一般に普及しているのは「ベイツガ」です。
  • アカマツ・・・北海道南部から本州、四国、九州にかけて幅広く分布するマツ科の針葉樹で、心材は黄褐色、辺材は黄白色の木材です。材面にヤニ(脂)が出るので表面に出るような使い方は少なく、比較的通直なものが少ないため、主に曲がった丸太のような状態で梁など構造材として利用されています。重く硬い木材として知られ木理は真っすぐですが、肌目は粗い紋様です。松だけに、松脂となる樹脂成分が含まれています。主に建材として使用され、建物の梁、敷居の摩擦部、和室の床柱などに使用されます。また、土の中でも腐りにくいという特徴を持つ事から土中杭としても利用されているようです。
  • クロマツ・・・日本では本州から四国、九州に分布し、韓国にも自生する針葉樹です。樹皮が黒褐色のためクロマツと呼ばれるようです。赤松が「雌松」と言われるのに対し「雄松」「男松」とも呼ばれます。アカマツによく似た材種で、心材は黄褐色、辺材は淡黄白色をしています。庭などに植えられたり、盆栽として用いられる園芸用途でも知られます。塩害にも強い性質があるため、防潮林としても使われます。赤松同様、針葉樹のなかでは引張強度や曲げ弾性等にも優れます。
  • エゾマツ・・・名称の通り蝦夷(現在の北海道)に主に分布しており、本州でも標高が高い山地などの一部地域で生育しています。断面は淡黄白色をしていて、心材と辺材の境界は区別がつきません。肌目は細かく、木理は真っすぐな木材です。木目の美しさや仕上がりが良好なことから、建材としてもよく使われます。また、バイオリンの甲板やオルガンの音響盤、ギターなどの楽器の材料としも優秀な木材だとされています。
  • カラマツ・・・日本では北海道から本州北部にかけて分布する日本で唯一の落葉する針葉樹です。心材は褐色、辺材は白色をしています。樹脂成分を多く含むため脂筋が出ることがあります。日当たりのよい場所を好む落葉針葉樹で、生育がはやいことでも知られます。木理は真っすぐで、肌目は粗目です。そのまま建材としては使われるというよりは合板や集成材として加工されたものが良く使われます。重く硬い木材で、建築(主として表面に出ない部材)、杭、土木用タンネージ、パレット、家具などに、用いられます。
  • ベイツガ・・・北米大陸のアラスカ州南部から米国の南西部までの太平洋岸地域に分布し、低価格の為日本に大量に輸入されます。やや軽軟で木理は通直、肌目は密。加工性はよく仕上がり面良好ですが、やや割れやすい。心材と辺材の色の差が少ない木材となります。樹脂が強く、入皮のような欠点が多く見られ、。耐朽性が低いので水分の多い所では腐りやすいです。
  • ベイスギ・・・英語ではウェスタンレッドシダーと呼ばれる針葉樹で、米国やカナダなどの太平洋岸に分布しています。ベイスギと呼ばれていますが、スギ属ではなく、クロベ(ネズコ)に近縁であり、アメリカネズコとも呼ばれます。耐久性に優れる木材ですが、強度はあまりありません。英名の通り、心材は元々紅色で時間がたつと褐色化の後、黒くなり、辺材は白色をしています。トーテムポールなどの建造物や、家具、芯材などに使われるます。
  • ベイマツ・・・米国やカナダの太平洋岸に分布する針葉樹です。マツという名がついていますが、アカマツなどのマツ類とは別の類の樹種で、日本で相当するものとしてはトガサワラがあります。心材は白、赤、黄色味を帯びたもの等バリエーションがあり、辺材はそれらの淡い色となっています。肌目は粗目で、そこそこ硬い木材で、耐久性や加工性は良好です。樹脂成分が多いですが、寸法の狂いや変形が少ないとされます。建築用途をはじめ、家具、合板など使われる範囲の広い木材です。ある程度乾燥したものを使っていても、だんだんと“やに”が表面に滲み出て来ることがあるので、表面に出るような用途にはあまり歓迎されません。
  • ベイヒ・・・米国のオレゴン州やカリフォルニア州等に分布するヒノキ科の針葉樹です。日本のヒノキとよく似ており、芳香がありますが、ヒノキに比較してずっと強い。強度はあまり強くありませんが、耐久力に優れ、加工性も良好です。肌目は緻密でキメ細かく、木理も真っすぐ通っています。心材、辺材ともに淡い黄色味がかっています。両者の境界はつけにくい樹木です。強度はあまり強くありません。耐久力に優れ、加工性も良好です。肌目は緻密でキメ細かく、木理も真っすぐ通っています。建材、内装材としての利用の他、彫刻、櫛、木槌、道具の柄、楽器、ヨットボート、化粧単板などに利用されます。

広葉樹

  • ケヤキ・・・本州や四国、九州の丘陵地や山地、平地に広く分布するニレ科の広葉樹です。立川市の「市の木」でもあり、街中至る所で見られる親しみのある木です。並木として有名なところも都内に各所あります。心材は黄褐色からやや紅がかった黄褐色、辺材は淡黄褐色をしています。肌目は粗いですが、木目や杢は美しく、研磨すると光沢も出ます。古来最良の広葉樹として扱われてきました。加工性や仕上げについても良好で、材木としては重く硬いタイプになります。耐湿性や耐久性に優れ、保存性が高いため、建材や神社等にも使われてきましたが高価です。含水率を調整するのに時間がかかるため、伐採してから実際に材木として使えるようになるまで相当の期間が必要です。
  • キリ・・・野生のものはなく、日本国内では北海道以南の全域にわたって広く栽培されています。淡灰白色で、ほぼ同じ色の為、辺材、心材の境界は不明瞭で見分けるのは難しい。 日本の木材の中で最も軽く、吸湿性に優れており、狂いにくいという特徴を持っています。強度は強いほうではありませんが、燃えにくいことから耐火性能が求められる金庫の内張りなどにも使われます。木理は真っすぐで、肌目は粗く、加工のしやすい木材です。桐ダンスなどの材料として日本では古くから使われてきた伝統ある木材の一つです。
  • ホオノキ・・・日本では国内全域に分布する広葉樹で、モクレン科に分類されます。葉には殺菌成分が含まれているため、食品を包む目的としても古くから使われています。朴葉味噌(ほおばみそ)はまさにこの木の葉を用いたものです。辺材は灰白色、心材は灰緑色をしています。軽く、軟らかめの木材で収縮などによる歪み・変形が少なく、加工もしやすい部類です。樹脂分(ヤニ)は少なく、水気にも耐性があることからまな板や包丁などの水回りで使う製品としても使われます。また、木に刃物が触れても刃物が錆びず、刃を痛めないという性質が持っている事から、昔から刀の鞘にはこのホオノキだけが使用されてきました。他には定規や漆器の素材、彫刻や家具などとしても採用されています。木理は真っすぐ通っており、肌目は緻密でキメ細かい紋様です。
  • シナノキ・・・北海道に多く分布する広葉樹で、本州や四国、九州にも分布しています。心材は淡い黄色~褐色で、辺材は淡黄白色をしています。肌目は緻密で細かく、波状の紋様となっています。軽く軟らかい木材で加工がしやすいタイプといえます。強靭な繊維をもつ樹皮はロープの材料として使われていたこともあります。また、シナベニヤと呼ばれる合板の化粧面に多く利用されます。
  • カツラ・・・日本全域に分布する広葉樹でカツラ科に分類されます。心材は褐色、辺材は淡黄褐色をしています。カツラの木材の中で、色の濃いものをヒカツラ、淡いものをアオカツラと呼んで区別することもあります。前者のほうがよいとされています。軽く軟らかく、加工性のよい木材です。仕上げも美しく、建材や家具として使われています。また将棋や碁盤などにも使われる木材として知られます。
  • シオジ・・・関東より西、四国や九州の山地や湿潤地帯に分布するモクセイ科の広葉樹です。ヤチダモによく似た木材で、家具や建材の一部として使われます。数が減っている樹木であり、目にする機会は少ないかもしれません。心材は淡灰褐色~淡黄褐色で、辺材は淡黄白色をしています。木理は真っすぐ通っており、肌目は粗い紋様です。靭性(粘り)に優れ、弾力性に富んだ木材で、加工性にも優れます。美しい杢を有するものもあります。保存性はそこそこよい部類です。家具、器具、建築そして野球バットその他の  運動具として用いられる。
  • ヤチダモ・・・北海道、本州北、中部、また朝鮮、中国、樺太、シベリアにも分布し、単に「タモ」とも呼ばれます。北海道はなかでも産地としてよく知られ、代表的な木材の一つです。心材はくすんだ褐色、辺材は淡黄白色をしています。シオジに似ていますが、ヤチダモのほうが重さがあります。木理は真っすぐ通っていますが、肌目は粗めです。重く硬い木材で、靭性や弾力性に富むため、スポーツ用具(バット、ラケット)などに使われることでも知られます。他にも合板の材料や家具としても使われます。樹木によっては美しい杢があります。乾燥時の比重は0.65程度とされます。保存性や仕上げは中程度と言われます。
  • クスノキ・・・本州中、南部、四国、九州、さらに台湾、中国に分布します。木材および葉から樟脳油を採取するために造林されています。心材の色はどちらかといえば、不安定で、黄褐色、紅褐色、部分的に緑色を帯びた褐色などです。辺材は淡色ですが、心材との境ははっきりしません。木理は交錯しているものが多く、肌目は粗い紋様です。クスノキには独特の強い芳香があります。防虫効果や腐りにくい性質があり、保存性は高いことで知られます。クスノキの枝葉を蒸留することで得られる樟脳は防虫剤や医薬品などの原料ともなります。
  • クリ・・・国内では北海道の西南部や本州、四国、九州などに分布する広葉樹で、桃栗三年の「栗」の木です。木材として見た場合、重く硬い部類で、水に強く、保存性が高いタイプです。ただし加工性はあまりよくありません。肌目は緻密で、耐湿性にも優れています。心材は褐色、辺材は灰白色を帯びた褐色です。現在は木材としての流通量は減っており、家具や高級品などの素材として使われます。耐久性・耐水性が高いことから、古来家屋の土台の材料として用いられてきました。また、鉄道の枕木もこの栗で作られることがあります。また位牌や仏具の素材として使われることもあります。木材は経時変化により褐色から黒味を帯びることがありますが、これは材木中に含まれるタンニンのためとされます。
  • ブナ・・・北海道南部から本州、四国、九州にかけて分布します。辺材と心材の境界はわかりづらく、色は白色から淡い紅白色をしています。心材に良く似た色を持つ偽心材を形成することでも知られ、この部分は褐色です。重く硬いタイプの木材で、肌目は緻密です。加工時には乾燥収縮による寸法変形・狂いが出ることがあるため、注意する必要があります。保存性が低く、伐採後直ぐに薬剤処理をしないと、変色や腐朽をおこし易いのが難点です。家具、器具、合板、漆器木地玩具、曲木、靴木型、日用品、パルプなどに用いられます。とりわけ曲木家具には大変適しているとされます。
  • イタヤカエデ・・・北海道から本州、四国、九州の山地に分布します。公園や庭園で鑑賞用として植えられることがおおいので、園芸品種も数多くあります。辺材と心材の色の差はほとんどありません。木材の色はやや紅色を帯びた白色~淡紅褐色です。表面に独特の光沢をもち、杢を持つものもあります。木理は真っすぐ通っており、緻密な肌目です。重く硬いタイプですが、材質(組織)も緻密で加工性はあまりよくありません。靭性(粘り)に優れており、曲木としてもよく使われます。家具、器具、運動用具、建築、楽器などに用いられます。
  • アサダ・・・国内では北海道、本州、四国、九州と幅広く分布する。心材は紅褐色、辺材は白っぽい褐色をしてるため境界はハッキリとしています。重く硬い木材で、加工はやや難しいといわれていますが、よい表面仕上げが出来、磨くと材面に美しい光沢が出ます。道具の柄や木管、靴の木型やフローリングの材料などに主に利用されます。

木材の乾燥

伐採後木は乾燥させる必要があります。乾燥させてない伐採後の木材は「生材」と呼ばれ、そのままでは重く、腐りやすい。また、収縮・変形によって狂いも生じます。天然乾燥法と人工乾燥法の二つがあり、木材の含水率があまり動かず、膨張や収縮が最小になるような水分状態にします。

製材品と木質材料

大きな一本の原木から角材や板を直接必要な寸法に切り出したものを、製材(製材品)あるいは無垢材と呼び、木の小さな破片や薄い板(いずれも原木そのものについては小径木(しょうけいぼく)とは限らない)を集め、接着剤で貼りつけるなどして再形成したものを木質材料(木質製品、木質建材、木質素材)と呼びます。

製材品

丸太を鋸で挽いた角材や板材のことです。製材所において原木の皮を剥ぎ、木の特徴やクセを読みながら、必要な寸法に切り分けます。こうした製材作業の事を「木取り」と呼び、板目木取りと柾目木取りという方法があります。

板目(いため)

年輪の目に沿うように接線方向に切り出した板の表面に現れる木目の事。不規則な曲線模様となり、裏表がある。板の外周側を木表(きおもて),中心側を木裏(きうら)と言います。

柾目(まさめ)

年輪の目を断ち切るように年輪に対して直角に近い角度で切り出した木目の事で「正目」と表記される事もあります。板の木目がほぼ並行で木目が美しく収縮による狂いが少ないが、水分を浸透させやすく、太い丸太でないと取りにくいため高価です。

木質材料

集成材

断面寸法の小さい木材(板材)を接着剤で再構成して作られる木質材料である。構造用と造作用に分類され、主に建材やテーブルの天板などの家具素材として用いられる。

合板

薄く切った単板(ベニヤ)を互い違いに直交するように複数枚重ねて接着材や熱圧接着した木質ボードのことです。大面積の板材を製材品として得るためには巨木が必要となるのに対し、合板は製材品に比べて安価に大面積が得られる点、工場加工ゆえに品質が安定している点から様々な用途に利用されています。

ラワン合板

東南アジアに分布する「ラワン」を貼り合せたもの。表面がざらざらしており木目はハッキリしていません。一般にベニヤ板と言えばこのラワン合板の事です。ラワンベニヤのうち厚みが12mmある耐水性を有するものを「コンクリートパネル」、略してコンパネと言います。床の捨て張りなどリフォームの際に重宝されます。

シナ合板

ラワン合板の表面にシナ材を貼ったもの。外観が美しく、平滑な仕上がりとなります。

針葉樹合板

針葉樹で出来た合板のことで、主にカラマツなどの松類から作られます。環境問題等から制限を受けるラワン材に変わり、広く用いられるようになってきました。

木質ボード

木の小片、木っ端や繊維を接着させて固めたものを総称して木質ボードといいます。通常は利用できない間伐材や製材工場での鋸屑、使用済みとなった木製のパレットや梱包材などが原料として利用できますので環境に優しい建材となります。

パーティクルボード

木材の破片に接着剤を混ぜ加熱圧縮成形したボードの事。断熱性、遮音性に優れ低価格ですが、耐水性に欠けるため主に家具・内装下地として使用されます。

OSB(配向性削片板)

オリエンテッド・ストランド・ボードのこと。繊維方向に細長い木っ端を直交させたり、同じ方向にしたり、向きを意識して作られる配向性ボード、配向性ストランドボードのこと。一定方向に強度を高めています。かつては合板が構造用パネルとして使用されてきましたが、近年は価格の高騰によってOSBが用いられるようになってきました。

ファイバーボード

木材繊維を集め、そのまま乾燥または加熱圧縮成形した木質ボード。繊維板とも呼ばれる。比重によってハードボード (HB)、MDF(Medium Density Fiberboard、中密度繊維板)、インシュレーションボード (IFB) の3種類に分類されます。

ランバーコアボード

小さな棒材を複数並べた物を芯材とし、表面に薄い板を張って一枚の板に加工したものです。木質ボードというよりはむしろ表面に化粧板を貼った集成材に近いものであり、釘の保持力が強いという特長を持ちます。テーブルや机の天板などとして用いられます。

現場加工とプレカット

かつて木材は現地で加工するものでした。そのため、大工さんは多種多様な道具を持ち込み、一つ一つ寸法を確認しながら必要に応じた長さや形に整え、加工していました。そうした場合、それぞれの持つ技術力によって仕上がりの上手下手がどうしても出てしまいました。プレカットは、構造材の仕口加工などを機械化した工場で行う事です。これによって、 建築現場での加工を減り、工期短縮や加工精度が向上しました。また現地加工に伴う廃材が少なくなったのです。

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