物件購入

30年後に後悔しないために知っておくべき「住まい選び」の心得4箇条

住いは暮らしのベースとなる場所であり、日々の疲れを癒す場所であり、そしてプライベートにくつろぐ空間であります。住み慣れた我が家で長く久しく過ごすために、これから住いを探す人たちに知っておいてほしいと思う項目を以下に示します。住いを選ぶ際に忘れてならないのは、時間と共にご自分を取り巻く環境が変わっていくという事です。今の暮らしから始まって、5年後、10年後とどんな風に変わっていくでしょうか。家族構成や健康状態によって求められる環境は異なります。終の住いとなるのか、あるいは将来住み替えをするのか、そうした事も考慮して住いを選んでください。

1、住いの安全性を確認すべし

住いの安全性が重要な事は言うまでもありません。これは現在から未来にかけて常に重要でありつづけます。かつては「地震・かみなり・火事・親父」などと、世に恐ろしいものが列挙されたものです。今や親父が怖いもなのかどうか・・・ほとんどの世帯で失権してしまったきらいはあるようですが、それ以外の「地震」「かみなり」「火事」が相変わらず恐ろしいものである事は確かですね。これらは住宅を破壊し生命を危うくするものです。自分の住む家が、こうした災害から身を守ってくれるものなのかどうか、しっかりと見極めなければなりません。

また、自分が住もうとする地域がどのようような特徴を持っているのかも把握したいところ。立地というと駅からの距離のように利便性に関連する事柄のように受け取られますが、どのようなリスクが想定されるのかも含めて、メリット・デメリット両面から検討して欲しいと思います。

地震

地震大国と呼ばれるこの日本では歴史上何度となく大地震による被害を受けてきました。日本で生きる以上はどうしたって地震への恐怖はつきまといます。生きている間には一度は大地震を経験するのではないか、そう考えて生きている人も多いでしょう。実際にここ10年か20年の間には阪神淡路大震災や東日本大震災と言う未曽有の大災害を私達は目の当たりにしたのです。これらの経験から、地震への備えがいかに重要なのか、誰もが感じているところではないでしょうか。

地盤

地震の影響は地盤によって左右されます。同じ大きさの揺れに対して軟弱地盤ではより大きな揺れとなり、液状化現象や不動沈下によって建物に甚大な被害をもたらす事があります。敷地がどのような地盤なのか、まず最初のステップとして「地盤調査」を行う事が重要です。現在の建売り新築一戸建てだと、平成12年4月1日に施行された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって、地盤調査が半ば義務化されたので地盤調査をした上で建築されたものと見なして大丈夫です。建売の場合、売主により重い瑕疵担保責任が課されていますが、地盤の瑕疵は基礎の瑕疵と見なされたため、建築主はまず最初に地盤調査を行い、その結果いかんでは地盤改良その他必要な対策を講じた上で建築を行う事となりました。

注意したいのは品確法施行前に建てられた建物です。義務ならばします、でも義務でなければ行うかどうかはそれぞれの判断です。地盤調査をするにせよただではありませので、違法でない限りやらないという選択も許されます。中古物件を買う場合には、気になるなら自費で調査するなど各人の対応が求められます。

これから中古物件を購入しようとする方は以下の二点をご確認ください

  1. 売主の瑕疵担保責任が重いのは売主が宅建業者の場合
  2. 個人が売主の場合の瑕疵担保責任は民法の規定によるか、契約時に内容を定める。売主の瑕疵担保責任を軽減したり、瑕疵担保責任自体を負わない事を定めることもできる

1、についてですが、建売において売主が瑕疵担保責任を負う期間が伸長されたのは買主を保護するためです。品確法施工前においても宅建業者が売主の場合、最低2年以上の瑕疵担保責任を負う事とされていました。それが10年に延長されたのですから買主としてはより手厚い保護を受ける事となったわけです。対象となるのは柱、梁、耐力壁、基礎、地盤、土台等の構造耐力上主要な部分及び外壁や屋根の仕上、下地、開口部等の雨水の浸入を防止する部分です。しかし、せっかく10年間に渡って責任を問えるにしても、建て主が倒産してしまったらどうでしょう。雨漏りしたから修繕してもらおうにも相手がいなければ泣き寝入りしなければならないですよね。

そこで、平成21年10月1日「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(略して「住宅瑕疵担保履行法」)」が施行され、宅建業者は瑕疵担保責任保険への加入若しくは供託が義務付けられました。

宅建業者が売主の場合、瑕疵担保責任が10年となる、そして万が一その間に売主が倒産してしまったとしても保険などによって補償を受ける事ができるとなったわけです。新築一戸建ての図面を見ていると「瑕疵担保責任保険」等の記載がありますが、これがそうした万が一の時の備えとなります。瑕疵担保責任についてさらに詳しく調べたい方は「売主の瑕疵担保責任と宅建業者の瑕疵担保責任」をご参照ください。

2、についてですが、個人間売買の場合には瑕疵担保責任が免責される事もあり得るという事です。瑕疵担保責任と言うのは買主が「取引上一般的に要求される程度の通常の注意を払っても知り得ない瑕疵」についての責任となります。

中古一戸建てだと、買主のみならず売主も一般個人である場合が多いものです。すると、一般の方に「隠れた瑕疵」についてまで責任を負わせるのは少々酷なのではないか?という考え方も成り立ちます。業者ならば建築物についての知識も豊富ですし、経験も豊かです。それに比べ一般の方だと、専門知識を持ち合わせてはいないでしょう。それなのに、隠れた瑕疵にまで責任を負わせるのはやはり厳しすぎるということで、中古物件の売買では「瑕疵担保免責」とするのがむしろ一般的と言えます。もちろん、売主がわざと欠陥を隠し告げなかったような場合にはこうした特約があったとしても責任を問えるでしょう。

基礎

基礎には布基礎、ベタ基礎、独立基礎などの「直接基礎」と地盤が軟弱で直接基礎では建物を十分に支持できない場合に地中に杭を打ち込む「杭基礎」があります。杭基礎にはさらに固い地盤(支持層)まで杭を到達させる方法と杭自体の摩擦力で、建物全体の荷重を支える方法があります。

どのような基礎にすべきかは地盤によります。布基礎よりベタ基礎の方が強固ですが、、地盤調査の結果良好な地盤だったら、布基礎で十分と言う事ももちろんあるのです。ただ、今の流れとしてはベタ基礎を標準にしている業者さんも多く、建売住宅ではベタ基礎が標準ととなりつつあると言っていいでしょう(多摩エリアしかわかりませんが)。要は地盤に応じた基礎を採用しているかどうかを確認すれば良いのです。

耐震

耐震とは地震の揺れによって建物が倒壊しないようにする事を言います。大地震では家屋の倒壊によって尊い命が失われます。ならば、建物が倒壊しなければ、生命は守られるという事です。もちろん、地震によって火事のような二次災害が発生してしまえば、また異なる危険にさらされる事となるのですが、それはまた別の対策を講じるとして、ともかくも建物が倒れない事を第一とします。

耐震性は建築基準法でも最低ラインが定められおり、現在の基準をクリアした一戸建てならそれ相応の地震にも耐えられます。建築基準法は大地震が起こるたびにより厳格化してきたという経緯があります。と言う事は逆に、かつてはもっと基準が緩やかであったという事ですから、中古物件を購入する際には耐震性能について注意した方がよいとも言えます。

現在では住宅性能表示制度が整えられ、耐震等級と言う数値でそれぞれの住宅の耐震性が一目でわかるようになりました。全てではありませんが、採用する建売業者さんも増えたので、物件選びの際に参考にしてみてください。

制振

地震の力を建物の構造によって分散し、建物の損傷を低減するものです。制振ダンバーを筋交いように斜めに取付けたり、部材の接続部に用いて、変形しようとするエネルギーを吸収します。

免震

免震は地震の揺れが建物そのものに伝わらないよう、あるいは伝わりにくいようにするものです。免震には「ゴム」「転がり支承」「すべり支承」大きく三つの形態があります。いずれの種類でも建物は免震装置の上にのっかる形て建てられ、地震が生じた場合でもそれらの免震装置が揺れを吸収し建物自体が揺れにくくなります。

最近は異常気象のせいでしょうか、雷によって屋根に穴が空いたとか火災が発生したとかの報道が増えましたね。話の流れとして雷も取り上げましたが、物件探しをする際に「雷」に対して特段気を付けるべきことというのは思い浮かびません。地震のように起これれば一帯が影響を受けるものと違い、雷が落ちるというのは運不運という気がします。ハウスメーカーとしても、雷対策を謳っているところがあるかどうか。

居住後に万が一の落雷に備えてアース線や雷ガード機能のあるコンセントを用いるなどの工夫をすることくらいでしょうか。

火事

火事については構造上の制限が加えられることがあります。住宅密集地やその周辺部などでは火災の拡大を防ぐために都市計画法で「防火地域」「準防火地域」が指定されています。また、こうした指定を受けない地域でも、市街化区域については「法22条区域」として屋根を不燃材で造るか、または不燃材でふくことが義務づけられています。これらの制限は建てる側において遵守すべき事なので、買い手としてチェックしなければならないわけではないでしょう。ただし、これから住もうと考えている地域が上記三つの地域・区域いずれかに該当するなら、それに対応する構造にしなければならず、その結果建築コストが増えたとしてもそれは避けられとご理解ください。以下でざっと触れますが、詳細を確認したい方は「防火地域・準防火地域・法22条区域の違い」をご参照ください。

防火地域

住宅密集地や商業地などの市街地の中心部、その他、広域避難場所や災害地の避難路となる幹線道路沿いなど、多くの建物や商業施設が密集し、火災などが起これば大惨事になりかねない地域では、建物の構造が厳しく制限されています。

準防火地域

準防火地域は防火地域の周辺地域に指定されることが多く、防火地域よりも制限は緩やかになっています。地階を除く階数が4以上、または延べ床面積が1500平米を超える建築物の場合は耐火建築物とし、地階を除く階数が3、または延べ床面積が500平米を超え1500平米以下の建築物は耐火建築物または準耐火建築物としなければなりません(500平米以下の延べ床面積であって、防火上の技術的基準を満たしていれば木造でも可)。

法22条区域

防火地域・準防火地域以外の地域で、特定行政庁が指定する「屋根不燃区域」においては、屋根を不燃材料の瓦、彩色セメント系スレート板(カラーベストコロニアル)などとするか、または不燃材料で葺く事が義務付けられています。(建築基準法22条)

立地・エリア

これから住もうと考えているエリアがいったいどんな特徴を持っているか調べてみたでしょうか?地元ならば地域性から何から全部知り尽くしているかもしれません。でも、住宅購入を機に他エリアに引っ越すなら、やはりきちんと調べた方がいいと思います。「住み始めたらびっくり、こりゃやっちまったなぁ。また引っ越そう」というわけにはなかなかまいりません。賃貸ならまだしも(賃貸だって引っ越し費用及びその労力はばかになりません)、住宅を購入したのなら、高額の借り入れを起こしているのですから、ほとんどの場合不可能でしょう。そうならないよう、物件を絞り込む過程で、今一度立地・エリアについて調べてみてください。

とは言え、地域やエリアについて調べると言っても、各人ができる事はそう多くはありません。例えば、治安の良し悪しを調べようにも、そうした情報が公開されているわけではありません。せいぜい、仲介業者の営業マンに聞いてみるとか、物件近くを歩き回ってみるくらいが関の山です。

「あの~つかぬ事をお聞きしますが、この辺りの治安・生活環境はどうですか?」などとご近所に聞いて回るなら、ある程度信憑性の高い、生きた情報が聞き出せるかもしれません。これはやる価値のある事です。しかし、実際にそこまでしなくとも、物件周辺を見て回るくらいの事はした方がいいでしょうし、その際には、時間帯、曜日、天候など条件を変えて何度か確認した方がいい事は確かです。

と言う事で、ここではどなたでも実践できる事のみ取り上げたいと思います。

ハザードマップを見る

ハザードマップあるいは防災マップには防災に関する情報が様々載っています。川に近ければ氾濫による浸水被害の想定、崖地なら急傾斜地崩壊危険区域に指定されているかどうか、災害時にどのように行動すべきか、最寄りの避難所・避難場所はどこかなどなど。今はインターネットで各自治体のホームページからダウンロードできますので、是非ダウンロードしてみてください!

道路計画

住いの安全性には直接関わりを持ちませんが、終の住かとしてせっかく腰を落ち着けたのに、いずれまた引っ越さなければならないとしたら災難ですよね。道路計画の場合、計画後何十年経ってから決定される事も多いので、計画があったとしてもすぐにどうこうなるものではありません。ただし、いずれかはその計画が実行に移されるかもしれないのですから、将来のリスクと考えていいでしょう。また、計画が決定されているなら、もう実行に移されるのが時間の問題という段階ですから、それを踏まえて決断しなければなりません。

断層

地下の地層または岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いた状態を断層と呼び、ここに大きな力が加えられる事によって、割れ目が再び壊れてずれる現象の事を「断層運動」と言います。地震はこの断層運動の衝撃が震動として地面に伝わったものです。

断層のうち過去に地震を起こした形跡があり、将来も地震を起こす可能性があるものを「活断層」と呼び、将来地震を引き起こす可能性があるのものとされます。都市圏活断層図で確認してみましょう。

ちなみに弊社がある立川市と言えば「立川断層」が有名です。阪神淡路大震災後には首都直下型地震を引き起こす可能性が高いとして盛んに取り上げられましたね。ところが、最近の研究報告によると、立川断層は実は立川市内には存在しないようなのです。立川断層よりも「箱根ヶ崎断層」と呼ぶ方がむしろふさわしいとしています。しかも、この断層はしばらく活動しないだろうと専門家は評価しています。

2、今だけでなく将来の事も想定すべし

住宅購入時、多くの人は今現在の家族構成や環境をもとに選択を行います。その際つい忘れがちなのが、将来の事です。老後の事、将来の家族構成の変化について考えてましたでしょうか?身近にお年寄りがいらっしゃる方なら想像しやすいのですが、高齢者になるとほんのちょっとの段差でも思わぬ事故に繋がったりります。健康なうちはなんでもなかった階段の上り下りがいつか苦痛になっているかもしれません。

今の自分そして家族にぴったり合っていたはずの我が家が、いつの間にか住みにくくなっていた・・・なんて事にならないようにしたいですね。

バリアフリー・ユニバーサルデザイン

物件探しにあたってバリアフリーやユニバーサルデザインという言葉に注意してみましょう。
バリアフリーとは高齢者や障害者が社会生活を送る上で障壁となるようなものを取り除く事を言います。バリアは障害や障壁、フリーは除いたという意味。家の中には日常動作をする上で障害になる物が結構あります。高齢者はほんのちょっとの段差でも踏み越えるのに苦労したり、躓いて怪我をしてしまう事があります。こうした段差を解消し、必要ならば手すりを取り付けてそうした動作をしやすい環境を整える事をバリアフリー住宅と言います。

これと似た言葉にユニバーサルデザインというものがあります。バリアフリーと混同される事もありますが、発想としては全く異なるものです。ユニバーサルは一般的なとか普遍的なという意。普遍的なデザインつまり、誰もが使いやすいようにデザインする事を指します。

高齢者や障害のある方のため障壁を取り除く事を主眼とするのがバリアフリー、そもそも初めから誰でも使えるように作ってしまおうというのがユニバーサルデザインです。

間取り変更がしやすい構造かどうか

家族構成が今後変わっていくと想定されるご家庭では、将来間取りを変更するかもしれません。お子さんがいらっしゃれば、成長に応じて子供部屋を増やす必要に迫られる事があります。兄弟仲良く一緒の部屋と言うのもある程度の年齢までですよね。いずれは自分の部屋が欲しいと言い出す事も考えられます。そうした時に間取りの変更が可能かどうか、しやすい構造なのかが問題となります。

スケルトンインフィル住宅」という言葉を最近よく耳にします。スケルトンは柱・梁・床等の構造躯体をインフィルは住戸内の内装や間取りを表します。高い耐久性を持つ構造躯体とそれに比べて明らかに寿命の短い内装を分離した住宅の事を言います。こうしておけば室内が傷めば内装すれば住み続ける事ができますし、ライフスタイルが変化した際にも間取り変更を含めて容易に対応できるというメリットがあります。

一戸建ての場合ですとスケルトンインフィル住宅が普及しているとはまだまだ言えませんが、それを一つのウリにしているハウスメーカーもちらほら見かけるようになりました。

さて、最後に一戸建ての構造についてですが、一般に在来工法(木造軸組み工法)は間取り変更がしやすいく2×4(ルーバイフォー)住宅は間取り変更が困難な造りとされます。どちらもそれぞれメリットとデメリットがありますので、どちらがいいかの話ではなく、こと間取り変更については在来工法の方が柔軟に対応できるというお話でした。

3、設備機器のここをチェックすべし

住宅設備機器はほとんどの物が後からでも取り付ける事ができます。しかし、モノによっては後からだと取り付けにくいとか、交換に思わぬコストがかかるものがあります。ここでは設備機器の意外盲点を見てみましょう。

各部屋のエアコンの取付位置や室外機置場

最近の夏は恐ろしく暑いと思いませんか?私などエアコンなしではあの暑さは一日たりとも過ごせません。エアコンは備え付けてあるか?なくとも設置可能かどうかを確認してみましょう。それと電力の容量についても要確認です。エアコンはその容量によって100vや200vのものがあります。

さらに、エアコンについては室外機を置く場所についても確認してみてください。エアコンと室外機の距離は近い方が効率的です。ホースをのばせばどこでも大丈夫ではありますが、エアコンが効きにくかったりするからです。各部屋にエアコンを付けるとして、そのそばに室外機がおけるスペースがあるとベスト。少なくとも一階は一階に、二階は二階におけるようでないとマイナスポイントでしょうか。

各階に便器などの水回り設備があるかどうか

新築一戸建てだと今では多くの物件で1階と2階にトイレがあります。1・2階ウォシュレットという物件もかなり増えているのです。ここで私が言いたいのは、別にトイレが1階だけでもいいのです。でも洗面所でもなんでもいいから二階に水回りの設備がないと後で結構な費用がかかります。水回りの設備は便器にせよユニットバスにせよ、キッチンにせよ、それらの設備機器をポンっと設置しただけでは用をなしません。給水管や配水管があって初めて本来の目的を果たすわけです。

もともと二階に給排水管が配されているのならそれらを利用して割と低コストで水回り設備を新設できます。例えばお子さんが結婚して一階だけでなく二階にもキッチンが欲しいとなった場合、既存の給水管から分岐して接続することができますし、排水も既存のものに流し込むことができます。もちろん、容量の問題もあって、全ての場合とは言えませんが、全くない場合よりは低コストで済むでしょう。

ところがそれぞれの階になんの水回り設備もない場合は新規に給水管そして配水管を配さなければなりません。通常これらは壁の中や床下にあるものですが、建物の内部にこれらを後から通すことはとても困難です。場合によっては外壁にこれらを配すこととなります。これは結構な大工事です。

中古物件の売買で、買主さんから二階にもトイレが欲しいと相談されることもありますが、工事費用が思った以上にかかると知って断念されるケースも時々あります。という事で、物件探しをする際には、2階に水回り設備があるかどうかをチェック項目の一つにしてみてはいかがでしょうか。

浴室の大きさ

浴室の大きさは案外大事です。浴室の大きさというと一昔前は0.75坪くらいのものが割と見られました。ところが、徐々に1坪タイプのものが増えてきて、今や新築一戸建ての標準サイズと言えるほどに普及しました。ここでは大きい方がゆったりしていていいね!というお話ではありません。規格が大事だというお話です。

ユニットバスには1216タイプだの1616タイプだの、幾つかの規格があります。1216タイプとは1.2m×1.6mのもので0.75坪に、1616タイプとは1.6m×1.6mのもので1坪にあたります。ところが、時々こうした規格に合わない浴室が見られるのです。するとどうなるか。規格品が収まらないとなると特注しなければなりません。特注品は規格品に比べて割高となります。つまり、高コストという事です。中には浴室の中に柱があったり、正方形や長方形というすっきりした形状でなく、入り組んでいたりして、そもそもユニットバスを施工できないあるいはできてもコストがかかりすぎるというケースがあります。

新築一戸建てではほぼほぼ大丈夫でしょう。中古物件については浴室の内側の寸法にも気を付けた方がいいですね。購入後リフォームの見積もりをとったらえらい高かった・・・という事が時々あります。どうぞその点お気を付けください。

とくに一戸建てではタイル張りの浴室、マンションではタイル張り浴室に加えて、ユニットバスでも時々規格外のものがありますので、ご注意を。

給湯器

給湯器はシャワーを浴びたり洗い物をしたりするのに欠かせない設備機器ですね。そして、この給湯器は今や床暖房や浴室換気乾燥暖房機などにも利用されます。床暖房は温水式のものがあります。そして、床暖房に対応した給湯器でなければこの温水式床暖房を利用できません。同様に、浴室換気乾燥暖房機についても温水式のものがあり、同じく対応機種でなければ利用できません。

この項はどちらかというと給湯器を交換する際にご注意いただきたいという事です。給湯器の寿命は10年前後とされます。10年以上使っているご家庭もありますが、その前後で取り換える際に、併せて床暖房を使いたいとか浴室換気乾燥暖房機を取り付けたいと考えているのなら、それに対応したものを選ばないといけません。かつ、その際にはそれなりの費用が生じるという事を覚えておいてください。

4、いざという時の事を忘れるべからず

不動産はいざと言う時に処分しやすいものであるかどうかが実はとても重要です。これから買おうかという人たちに「売る時の事も考えて」と言ってもピンとこないかもしれませんが、覚えておいて損はないと思います。一生住むつもりで探してるんだという人も、是非ご一読ください。

そもそもどんな時に不動産の処分を考えるのでしょうか。実はその一つについては既に触れています。それは、ライフスタイルの変化です。老後を迎え、階段の上り下りがしんどくなる。子供が独立して、夫婦二人が住むには広すぎるし、そもそも二階を使わなくなったとします。息子夫婦と同居するわけではなし、ワンフロアに全部が収まったマンションの方が暮らしやすいと考えれば一戸建てを処分し、マンションに住み替える方がいいと考える人もいますよね。

さて、実際に不動産を処分しようという段になって、実は売れない物件だったり、思ってたより全然安かったらどうでしょう。計画は一気に狂ってしまうでしょうね。老後資金は潤沢、一戸建てを売却しなくともマンションを買えるというのならまだいいのですが、そうでない、つまり売却によって得た現金がなければマンションが買えないとなると、引っ越し自体できなくなる可能性が高くなります。

売却理由は様々で、上記はその一例にしかすぎませんが、何にせよ、処分の難しい不動産はいざと言う時に困ってしまいます。できるならば処分しやすい不動産の方がいいですよね。

接道

一戸建ては一定の築年数を超えると評価はゼロになります。それどころかとり壊し費用などでマイナス評価となってしまう事もあるのです。それに比べると土地は基本的に資産価値を持ち続けます。ただし、都市計画区域や準都市計画区域内の建築物については接道義務を果たしている事が条件となります(接道義務については例外規定もあります)。接道義務を果たさず再建築不可とならば土地の価格は一気に下がります。敷地は上物を建てるために取引されるのですから、建物を建てられないとか再建築ができないとなると価値を見出すのが難しいからです。あれこれ手を尽くせばなんとか建築できる事もありますが、一般の人にとっては敷居が高く、手を出しにくい。と言う事は需要が低くなるという事でやはり高評価は受けないのです。

違法建築

違法建築とは、建築基準法やこれに基づく法令や条例に違反して建てられた建築物のことで、「違反建築物」ともいいます。また、最初に合法に建築したものの、増改築によって違法な状態になった場合も違法建築になります。違法建築物だと住宅ローンを組めない銀行が多く、仮に組めたとしても金利が高かったり、ある程度自己資金を持っていないといけなかったりします。いざ処分する時に買い手が見つからなかったり、見つかっても相場より低い金額でしか売れない可能性が高い事を認識しておいてください。

既存不適格

建築時には適法に建てられたものの、その後法令の改正や都市計画変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じた建築物の事を既存不適格と言います。前述した違法建築と違うのは、所有者になんら落ち度のない所で結果として違法建築になってしまったところです。こうした建築物は現行法に適合するように改良すれば再建築できるのですが、現状より小さな建物になったりします。販売図面に「既存不適格」の文字を見つけた場合にはどういう問題点があるのかをしっかり把握した上で購入するかどうかを決めるようにしましょう。

立地が悪すぎる

周辺環境に難があるような場合です。嫌悪施設のように多くの人が嫌がるものが近くにあると、評価が下がります。嫌悪施設は絶対的なものではないので、ある人は嫌がるものの、他の人は全然気にしないという事もあります。所有者は何てことないと思って購入したが、いざ売りに出した時にそれを厭う人が多かったとなればなかなか買い手がつきません。騒音、匂い、危険物、倫理的に嫌がられるものなど、自分が大丈夫でも他の人ならどう思うか?も多少なりとも考えつつ探してみてはいかがでしょうか。

地型

土地の形状は不動産の評価を左右します。整形地の評価が高いのは何と言っても敷地を活用しやすいからです。敷地上のどの位置にどのような建物を建てるのかある程度の自由度があります。反対に土地が変形しているとそうした自由度がなかったり、制限を受ける事があるからです。極端な場合にはデッドスペースが生じる事もあります。歪だったり、個性的すぎる形の時はご注意を。

土地が広すぎる・狭すぎる

家を建てるにはほどよい大きさの土地があれば十分です。大きすぎれば高額となり、小さすぎれば上物もこじんまりとしてしまいます。ほどよい大きさと言っても曖昧ですし、地域によって差異が出るでしょう。多摩エリアならば30坪前後と言ったところでしょうかね。大きすぎる土地だと個人だとなかなか買い手が見つかりにくく、建売業者などに買い取ってもらうという手があります。その場合でも、営利を目的とする業者相手ですから、相場より安く買い取られる事となるでしょう。狭いなら狭いで、引く手あまたという状況にはならないでしょうね。

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