住いのメンテナンス

窓と光と通気と熱と

窓は快適な生活を送るためにとても重要なものです。窓から差し込む光、網戸越しに吹く風、窓は内と外を繋ぐものであり、建物の中から外を感じる事の出来る外界との接点なのです。健全な日常を送る上で大切だという事は言うまでもなく、不動産の販売図面で「採光良好」や「通風良好」という文字がでかでかと印字してあるのはいかに多くの人にとってそれらが重要なファクターであるのかを物語っています。建築基準法では開口面積について一定の基準を設け、基準を満たさないと「居室」と認められず、「納戸」として扱かうのは法律上でも窓を重視している証拠と言えます。

窓は何も建物にだけあるものではありませんで、車や電車にもついております。「車旅」、「列車旅」をする人々にとっては窓から見える風景も醍醐味の一つなのです。夜景のキレイな部屋に住みたいというのはまさに窓からの見晴らしを評価しているものであり、眺望という要素が建築物にとって重要と考える人も多いはずです。

窓の種類

開閉の方法による分類

横引き窓(引き違い・片引き・引き分け)

横に引いて開閉する窓には、左右どちらからも開けられる「引き違い窓」、片側がはめ殺し窓(フィックス窓)や壁の場合に用いられる「片引き窓」、左右がFIXで中央を左右に引き分ける「引き分け窓」があります。より一般的なのは引き違い窓で、このうち庭やベランダに出られるものを掃出し窓と言います。

滑り出し窓

滑 り出し窓には、窓枠の左右の溝に沿って動くタイプが横滑り出す「横滑り出し窓」と上下の溝に沿って横に滑り出す「縦滑り出し窓」があります。横滑り出し窓はガラス部分がひさしのようになり、雨が吹き込ま ず通風を確保することができます。滑り出し窓は直角近くまで開くので外側の掃除が容易となります。

開き窓(外開き窓)

窓枠の左右どちらかを軸として開閉するものです。窓が1枚なら「片開き窓」、2枚なら「両開き窓」と言う。欧米でよく見られます。

上げ下げ窓

2枚の窓を窓枠に沿って上下にスライドさせて開閉するもの。こちらも欧米でよく見られます。上側の窓が、はめ殺し(FIX)になっていて下側のみ動かせるものを「シングルハング窓」、上下のガラス戸が両方とも動かせるものを「ダブルハング窓」、上下が連動して一緒に動くものを「バランス上下窓」と言います。

内倒し窓・外倒し窓

ガラス戸の下を軸に上側が室内側に倒して開くものを「内倒し窓」、外側に倒して開くものを「外倒し窓」と言います。打倒し窓は水まわりの天井近くや手の届きにくい場所に用いられることが多いものです。不透明なガラスにすると、室内を覗かれにくいというのがメリット。外倒し窓は外に向かって空気が流れやすいため高所に設置する事が多い。雨が室内に入りやすいのがデメリット。

ルーバー窓

水平に重なった複数の細長いガラス板のルーバーを、ハンドルやチェーン操作、電動で開閉するもの。通風や換気に優れ、目隠しにもなるのでトイレや浴室などに用いられます。ジャロジー、ガラリ 窓とも呼ばれます。

オーニング窓

複数の横すべり出し窓を連結したもので、ひとつのハンドルで開閉します。ガラス1枚ずつに窓枠があるため、気密性、防犯性がルーバー窓よりも優れています。角度を変えることで、通風を調節することが可能です。

回転窓

ガラス戸の中心を軸に、180度回転するもの。戸の中央を回転軸とするもので、縦軸回転、もしくは横軸回転のタイプがあります。密閉性が高く、気密性や水密性を要求される場所に適しています。回転角度で風通しを調整でき、窓掃除も容易です。ただし、縦軸回転窓は雨が降っている時に開閉すると、雨水を呼び込むこともあります。

フィックス窓

窓枠にガラスが固定されて開閉ができないもの。採光や眺望を目的として用います。「はめ殺し窓」とも言う。

出窓

建物の外壁より外側に張り出したもの。長方形や多角形(ベイウィンドウ)、弓形(ボウウインドウ)などの種類があります。床面からの高さが30cm以上で外壁から張り出した長さが50cm未満等の条件を満たしていれば、この突き出した部分は床面積には算入しなくてもよいとされます。

取り付ける位置や設置方法などによる分類

ピクチャーウィンドウ

眺望のため,居間などに設ける特に大きな窓の事。

トップライト

採光や通風のため、屋根に設置される窓の事。天窓やルーフ窓とも呼ばれる。天井部分からの採光は、垂直な開口部からの採光に比べ て、同一面積であれば3倍の効力をもちます。フィックスタイプ(開閉できないもの)と、開閉式のものがあります。設置から年数が経つと雨水が浸入してきて雨漏りの原因となる事があります。また、屋根に設置するがゆえに掃除がしにくいというデメリットもあります。

ハイサイドライト

高窓採光とも呼ばれ、目の高さより高い位置、壁の上部天井近くに窓を設け採光を得ること、もしくは、設けられた窓のことを指す場合もあります。部屋の奥まで光が届きやすくなるという特性があるため、特に密集した住宅地で効果的。高窓とも言う。

地窓

床面に接した位置にある窓の事。対角線方向に向き合う窓と組み合わせると、自然換気に効果があります。

開口

開口とは屋根、天井、壁、床などに採光、通風、換気、眺望、通行などの目的で、その一部を開けている部分の事で、主に窓や玄関を指します。建築基準法では「外壁の開口部」、「採光、換気のための窓その他の開口部」、
検証法の中で使用される防火性能を期待する「開口部設備」などと規定されています。前述したように開口面積によって居室と認められるかそうでないかが決まります。

窓と熱の移動

窓が健康で快適な生活に必要である事は述べました。ただ、なくてはならないこの窓にも欠点があります。その最たるものが窓からの熱の移動です。夏場の部屋の暑さや冬場の部屋の冷え込みの原因が主に窓にあるという事です。断熱を考える上で、窓こそがその悩みの種となりえます。。熱は高いものから低いものへと伝わります。断熱はそのように熱が伝わらないようにする事です。この場合に押えておくべきキーワードがありまして、それが「熱伝導率」です。熱伝導率とは「ある物質について、熱の伝わりやすさが示された値のこと」であり、熱伝導率の高いものほど熱を伝えやすく、低いほど伝えにくくなります。つまり、断熱は熱伝導率の低いものを利用して、外からの熱が室内に、室内の熱が外に伝わらないようにする事を言います。

最も熱伝導率の低いものが実は私たちのすぐ身の回りにあります。それが「空気」です。断熱材と呼ばれるものは綿のように空気をふんだんに取り込むことで断熱性能を発揮します。空気の熱伝導率は0.0241となり、アルミニウムのような金属と比べるとはるかに低いことがわかります。下表でご確認ください。

素材 熱伝導率
420
398
アルミニウム 236
84
ガラス 1
0.6
木材 0.15 - 0.25
羊毛 0.05
空気 0.0241

上記表からガラスの熱伝導率がとりわけ高いわけではないとわかります。だだし、空気と比べると約41倍も高いわけで、断熱性能が優れているとはとても言えません。夏場ならせっかく室内をエアコンで冷やしても、焼け付くような日差しによって熱せられた外気の熱が室内にどんどん伝わってきます。冬場なら暖房器具で温めた室内の熱が、窓から冷えた外部に伝わってしまうのです。窓からの熱の移動は通常思うよりはるかに多いのです。

窓の断熱について

窓からの熱の移動をどう食い止めるかについては幾つか方法があります。ただ、いずれも空気層が断熱のカギとなります。

カーテン

一番手軽なのはカーテンです。カーテンは目隠しや、日よけ以外にも断熱と言う役割も果たします。そのかわり、しっかり開口部分を覆うように、寸法を測った上で取付けないと十分な効果は見込めません。寸足らずではダメ、ピッタリでもダメ、ゆったりと覆うようなサイズを心がけましょう。この場合に重要なのは窓とカーテンの間にできた隙間です。わずかな隙間に空気層が出来る事で断熱効果を発揮します。当然レースのように細かい穴が空いていたら通気してしまうためさほど断熱効果は期待できません。同様にして寸法が足らずカーテンでは、空気の抜け道ができてしまい効果が落ちます。

ペアガラス

ペアガラスあるいは複層ガラスと呼ばれるものは間に空気層を作る事で断熱効果を発揮する窓ガラスです。最近の新築一戸建てや新築マンションでは標準装備となりましたが、ある程度築年数の古い建物だとシングルガラスが一般的でした。ペアガラスは断熱性能が向上しますが、サッシが金属だとその部分から熱が移動してしまうため、樹脂を複合したサッシを用いるとさらに効果が増します。さらに夏場に熱線を反射する効果を加えたペアガラスもあります。LOW-Eペアガラスでは夏場は遮熱効果+断熱効果で外気による影響を受けにくくできます。

二重サッシ

ペアガラスは二枚組の窓ガラスの事ですから、空気層はわずかなものです。これに対して二重サッシはサッシの内側にさらにサッシを取り付けるためより大きな空気層ができるため断熱効果も高く、さらに遮音効果もあります。二重サッシは「内窓」や「二重窓」とも言い、リフォームであとから取り付ける事もできます。

窓と結露

冬場気になる結露は断熱によってある程度予防する事ができます。結露は空気の性質上条件が揃えば発生するものです。空気は温度が高いほどより多量の水分を含んでいます。暖房で温めた空気が冷たい窓ガラスやサッシに触れると、急速に冷却され水分を含んでいられなくなるわけです。その結果窓に水滴が付いたものが流れ落ちて窓下に溜まってしまう事になります。ペアガラスは確かに結露が起こりにくくなりますが、室内に湿気が多すぎたり、換気を全く行わないとやはり結露が生じてしまいます。ここらへんについては「仁義なき湿気との戦い」をご参照ください。

窓と防犯

窓の欠点の二つ目は、窓からは時に招かれざる客が入り込むという事です。侵入窃盗の被害のうち「無締り」が46.2%、「ガラス破り」が36.4%という数字が出ています。無締りというのは要は「鍵の閉め忘れ」です。鍵を閉め忘れた玄関や窓から労せず室内に入り込み窃盗に及ぶというのが一番多いというのです。次にガラスを割り、クレセント錠などを回して窓を開け、建物内に入り込むという手口が多いようです。つまり、窓は外部との連絡口として空き巣や忍び込みと言った犯罪に利用されてしまう事が多いという一面を持つのです。

窃盗犯が室内に入り込めばその被害も小さくありません。盗まれた金品はもちろんのこと、割れたガラスの復旧、荒らされた室内の片付け、その後に残る不安。経済的にも、心理的にもダメージを受ける事となります。そのような事態を避けるため、各人どのような事ができるでしょうか。お時間がございましたら「一戸建てと防犯」をご参照ください。

ちょっとそこまで、でも施錠

「ちょっとそこまで」と鍵をかけずに出かける事はありませんか?実はそうしたほんの少しの油断が空き巣による被害を招きよせます。近くだから・・・、ちょっとの時間だからという誰にでもある日常の風景の中にこそ、危険が潜んでいるという意識を持ちましょう。「出かける時は忘れずに」なんてCMがありましたよね?どこかのカードだったと思いますが、それを拝借いたしまして、「出かける時は忘れずに施錠」という事で参りましょう。

閉めて、閉めて

外出する際に窓を開けっ放しではありませんか?トイレや浴室の窓だとか2階部分の窓は一日中開けっ放しにしている事が多いようです。間口が小さいから大丈夫だろう、2階だから大丈夫だろうという思い込みがやはり被害を招く原因となる様です。外出するなら「窓を閉め、鍵を閉める」。これを習慣づけましょう。

格子

窓周りに格子を付けていれば一定の防犯効果があります。ただし、以下の二点にご注意ください。

  1. 格子の種類・・・格子には平行の物ではなく十字に組み合わさったものを選びます。平行の物は力づくで壊す事が可能だったりするからです。
  2. 設置方法・・・格子は外からビスで取付けます。ドライバーやちょっとした工具ですぐに取り外されてしまってはたまりません。すぐにビスを取り外せないような工夫が必要です。一例としてはビス穴の上にコーキングを打ち込み容易に取り外せないようにするなどです。
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