地域情報

谷保天満宮

谷保天満宮は国立市の神社です。甲州街道(都道256号八王子国立線)に面し、南武線「谷保」駅徒歩3分の場所にあります。菅原道真を祀っている事から、学問の神様として受験生が合格祈願に訪れます。また、交通安全祈願発祥の地として、交通安全祈願に訪れる人もいます。境内には湧き水が出ていて、その水を引いた池があります。日中日向ぼっこをする亀や澄んだ水中を気持ちよさそうに泳ぐ鯉が見られます。その池の前にはちょっとした小山があって、たくさんのあじさいが植えられています。梅雨時には「あじさい祭り」が行われます。また、参道の脇に梅林があって、花の見ごろには見物に来る人もいます。

谷保天満宮入り
谷保天満宮の入口。立川崖線の豊かな自然の中にある谷保天満宮にこちらから入れます!
谷保天満宮表参道
入り口から表参道をしばらく進むとやがて階段に至ります。その途中には梅園やお稲荷さんのお社があります。境内に一歩踏み足を踏み入れた瞬間から穏やかで落ち着いた雰囲気に浸る事ができます。境内に暮らす鶏、木の下に落ちているカブトムシ。神聖な中にも柔らかみのある心落ち着く空間なのです。

谷保天満宮の概要

東日本最古の天満宮であり、亀戸天神社・湯島天満宮と並び関東三大天神と呼ばれる。「天満宮」とつく事から菅原道真にちなんだ神社である事がわかります。宇多天皇のもと右大臣として寛平の治を支えた菅原道真は昌泰4(901)年大宰府に左遷され、その地で亡くなりました。死後京で天変地異が相次ぎ菅原道真が朝廷に祟りをなしたとされ、雷の神「天神」と信じられるようになりました。

「天満」とはは、道真が死後に送られた神号である「天満(そらみつ)大自在天神」から来たといわれ、「道真の怨霊が雷神となり、それが天に満ちた」ことがその由来と言われています。

谷保天満宮の由緒

延喜三(903)年菅原道真薨去の報に、、第三子道武は思慕の情から自ら像を刻み、廟(現・府中市本宿)を建てて祀ったのが起りとされます。道武も死後相殿に合祀されたため、主祭神が菅原道真、配祀神が菅原道武となっています。天暦元(947)年京都の「北野天満宮」造営の際に、村上天皇の勅命により谷保天満宮にも社殿が造営され、官社に列せられたと伝わっています。養和元(1181)年道武の末裔である津戸三郎為守が霊夢を見たため、現在地へ遷座。健治三年(1277)に、宇多天皇の勅命により藤原経朝の書による「天満宮」の扁額が納められ、現在は国の重要文化財に指定されています。

  • 住所:国立市谷保5209(googleマップで場所を確認
  • 例祭:9月25日。この日に最も近い土日に万燈行列、花万灯、古式獅子舞が催されます。また、100年に一度大祭が行われます。
  • 境内:約6,000坪(約19,800㎡)、東方段丘上に約1,000坪(約3,300㎡)の梅林があります。
  • 特殊神事:11月3日大庭燎祭(だいていりょうさい)、うそ替え神事が行われます。

谷保天満宮の境内

甲州街道沿いにある谷保天満宮は「やぼてん、やぼてん」と呼ばれ地元の人々に親しまれてきました。
谷保はもともと「やぼ」と呼ばれていましたが、 南武線「谷保駅」が出来る際に「やほ」と読んだため、 地名までもいつしか「やほ」になったのだそうです。

多摩川の河岸段丘である立川崖線の地形を利用して造られています。甲州街道沿いにある入口から南西に伸びる参道を進むと階段があります。その階段を下りと北西方向に拝殿があります。参道の途中東側(進行方向右側)に梅林があり、見ごろを迎えるとたくさんの人達が見物に訪れます。2017年作成した「 国立市谷保天満宮の梅園」をご覧いただくと写真つきで梅林の雰囲気がおわかりいただけると思います。

菅原道真は左遷され京都を去る際に

「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」の歌を詠んだ事でも知られています。 志半ばで無念にも京を去らなければならない悔しさと切なさが伝わってきますね。この梅林はこうした菅原道真と梅との関係から植えられたのでしょう。

谷保天満宮湧き水

立川崖線の崖下に本殿や拝殿が配されています。多摩地域ではこうした崖を「ハケ」や「ママ」と呼んでおりまして、例えば国立市谷保には「ママ下湧水」では今も豊富な水が湧き出しのどかな田園風景を作り出しています。谷保天満宮の境内でもこうした湧き水が見られます。

社殿の配置

通常の神社は高台に鎮座(ち ん ざ)していますが、谷保天満宮のように下へ降りて行くのは珍しい配置です。昔の甲州街道は境内の南方、多摩川沿い、立川段丘ハケ下を通っていました。現在の、甲州街道は、江戸時代に五街道(東海道、中山道、奥州道中、日光道中、甲州道中)の一つとして、江戸日本橋を起点として整えられたため、南側に背を向けた配置となったものです。

谷保天満宮本殿

谷保天満宮本殿

国立市指定有形文化財・建造物。村上天皇の天暦元(946)年に造営され、寛永年間(1624~44)に改築されました。三間社流造(神社建築の様式で最も一般的とされる「流造(ながれづくり)」のうち、正面の柱が4本、柱間の間口が3間あるもの)で寛延2(1749)年に上谷保村の佐伯原七により建築されました。

拝殿

当記事冒頭にある写真が谷保天満宮の拝殿です。国立市指定有形文化財・建造物。入母屋造り(上部は切妻のように 2 方へ勾配を有し、下部は寄棟造のように 4 方へ勾配を有する屋根形)22坪(約73㎡)で、嘉永4(1851)年に建築されたと考えられています。

三郎殿

谷保天満宮三郎殿

五社合殿の隣に鎮座。菅原道武公を祀る。当初社殿の奥にありましたが、火災により焼失して現在は本殿の裏側にあります。谷保天満宮はこの地に配流された菅原道真の三男「三郎道武」によって創建されました。父道真とともに祭神として合祀されています。

座牛と撫で牛

谷保天満宮湧座牛についての案内板
拝殿までの途中に谷保天満宮の座牛とその説明がありました。以下抜粋

牛と天神様の関係は、仁明天皇の承和十二(845)年六月二十五日に菅公が生誕。又、公薨去の際、筑紫の国三笠郡四堂に墓を築き葬ろうと轜車(喪の車)を引出したが、途中牛車が動かなくなったのでその場所に埋葬した等、管公と牛に関する神秘的な伝説が数多く残っている。座牛は、この悲しみに動かなくなった牛を表現したものである。」

座牛像
菅原道真の死を悲しみ動かなくなった座牛
撫で牛
座牛の先にある撫で牛。自分の身体の病んだ部分や具合の悪い部分をなでたあと、その牛の身体の同じ箇所をなでると、悪いところが牛に移って病気が治るという信仰によるものです。

あじさい園

あじさい園

境内北西端にある厳島神社の奥に小高い丘があります。そこに所狭しとあじさいが植えられていて、梅雨時になると見事な花を咲かせます。丘の上にはちょっとした見晴台があり、眼下を見下ろすことができます。見ごろを迎えるころ「あじさい祭り」が行われます。

交通安全祈願発祥の地

ダラック号

明治41年に有栖川宮の車「ダラック号」を先頭に国産ガソリン自動車で日本初のドライブツアーなされたそうです。その時の目的地がこの谷保天満宮だったため、その道中の無事がここで祈られたのでしょう。そのためここが交通安全祈願発祥の地なのだそうです。尚かつては表参道にあったこのダラック号ですが現在は展示されていません。それに代わりタクリー号というのが境内の片隅(本殿の南側)の物置の中にしまわれています。

境内社

谷保天満宮の境内社は六カ所に計12社が祀られています。それぞれお参りするには相応の時間が必要ですので、ゆとりを持ってお参りをする事お勧めいたします。

第六天神社(第六天社)

第六天神社(第六天社)外観

表参道入口を入ると向かって左手(東側)に駐車場があります。駐車場南側にある参集殿東に鎮座しています。軽自動車含め25台停められる割と広い駐車スペースの片隅をよくご覧いただくとお社があります。祭神は面足尊(おもたるのみこと)と煌根尊(かしこねみこと)の二神です。第六天神社はかつて武蔵野国一帯にあったとされ元々は第六天魔王を祀っていたがその後祭神をオモダル・アヤカシコネに変更したとされます。

三社合殿(稲荷合殿)

谷保天満宮三社合殿

表参道から階段に至るまでの間、参道西側(手水舎の向い側)に鎮座。表参道を南に行くとやがて会談に至りますが、そこまで行ってしまったら行き過ぎです。次の三社です。

谷保天満宮三社合殿お社
  • 稲荷神社(稲荷社)・・・稲荷神を祀る神社。稲荷神は稲荷大明神やお稲荷さんとも呼ばれます。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の神として、日本全国で30,000社もあると言われています。京都市伏見区深草にある伏見稲荷大社が総本宮。お稲荷さん言えば狐を思い浮かべる人が多いと思いますが、あくまでも稲荷神の眷属(けんぞく)であってお稲荷さん=狐ではありません。
  • 蒼守稲荷神社(かさもりいなりじんじゃ)・・・蒼守は瘡守と表現されることが多く皮膚病にご利益があるとされる神様です。蒼守社とも言う。
  • 淡島神社(淡島社)・・・淡島神を祀っている神社。婦人病治癒を始めとして安産・子授け、裁縫の上達、人形供養など、女性に関するあらゆることに霊験のある神とされます。

弁天社(厳島社)

弁天社

表参道から進行方向左手に分かれる道の先に梅林があり、その梅林に鎮座。手前の窪みは元は池であったという。一旦梅林に入り、うっすらとある道を進むと小さなお社があります。弁天は弁才天と同義と捉えて良いのかもしれません。弁才天はヒンズー教の河川の女神で、日本でも信仰されるようになったそうです。財福の神「弁財天」とも表され七福神の紅一点。水辺に祀られることが多く、滋賀県の竹生(ちくぶ)島、神奈川県の江の島、広島県の厳島(いつくしま)(宮島)が三弁天とされます。弁天社、厳島神社それぞれ知名度もあり、周知されていますが神仏習合の折に習合し、同一と捉えて差し支えないのでしょう。恐らくかつて池があった事からこちらに弁天様が、本殿奥に今もある池の中島に厳島神社が祀られたのでしょう。

五社合殿

やぼてんの五社合殿

本殿裏に鎮座。次の五社です。

  • 天照皇大神宮(てんしょうこうたいじんぐう)・・・三重県伊勢市にある伊勢神宮の内宮である皇大神宮の別名の事。主祭神は皇室の祖神で、日本国民の総氏神とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)となります。
  • 熊野神社・・・熊野三山(熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)、熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)、熊野那智大社(くまのなちたいしゃ))の祭神を勧請された神社の事。熊野詣が盛んになったため全国に熊野信仰が広がりました。熊野三山の祭神は熊野権現であり、熊野権現とは熊野三山の祭神である神々をいい、その主祭神である熊野三所権現だけでなく、十二殿に鎮座する熊野十二所権現を含んだものです。全国にはたくさんの熊野神社があり、このうちどの神様をどれだけ勧請したかはそれぞれ異なるそうです。
  • 日吉神社(ひえじんじゃ、ひよしじんじゃ)・・・滋賀県大津市坂本にある山王総本宮日吉大社を勧請して日本各地に建立された神社です。山王信仰基づいており、最澄が比叡山に天台宗を開いた折、唐の天台山の守護神「山王元弼真君(さんのうげんひつしんくん)」にちなみ、既に比叡山の守護神としてご鎮座されていた日吉大神を「山王権現」と称する、神仏習合の信仰です。方除け・厄除け・縁結び・家内安全・夫婦和合・商売繁盛等
  • 妙義神社・・・群馬県富岡市にある神社で、上毛三山の一つである妙義山の東麓に鎮座します。開運、商売繁昌の神、火防の神、 学業児童の神、縁結の神、農耕桑蚕の神。
  • 稲荷神社・・・表参道から階段を下りる手前にもあります。稲荷神を祀る神社。稲荷神は稲荷大明神やお稲荷さんとも呼ばれます。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の神として、日本全国で30,000社もあると言われています。京都市伏見区深草にある伏見稲荷大社が総本宮。お稲荷さん言えば狐を思い浮かべる人が多いと思いますが、あくまでも稲荷神の眷属(けんぞく)であってお稲荷さん=狐ではありません。

厳島神社

谷保天満宮厳島神社

6月あじさいの咲く時期の厳島神社です。広島県廿日市市の厳島(宮島)にあり、世界文化遺産にも登録されています。全国に約500社ある厳島神社の総本社。宮島は言わずと知れた日本三景の一つ。潮の満ち引きによって境内に潮が満ち引きします。祭神は「宗像三女神」と総称される市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)です。神仏習合によって「弁財天」と習合しているため、谷保天満宮には厳島神社ないし弁天社が二つあるようなものですが、やはり由緒が異なるためそれぞれ別に鎮座しているのでしょう。皇室の安泰や国家鎮護、また海上の守護神として古くから信仰を集めました。

上の画像の右奥があじさい園。池の水は透き通り、さすがに立川崖線からこんこんと湧き出す水だけの事はあります。

常盤の清水看板

本殿裏の弁天池に鎮座。 弁天池は「常盤の清水」を引き継いでいるそうで、東京の名湧水57選の1つに選ばれています。かつては付近の人々の井戸として使われていたそうです。周囲はあじさい園となっています。

アクセス

鉄道

  • 南武線谷保駅下車、徒歩3分
  • 中央線国立駅下車、バス10分 府中行き(谷保経由) バス停「谷保天神」にて下車
  • 京王線府中駅もしくは聖蹟桜ヶ丘駅下車、バス10分 バス停「谷保天神」にて下車

甲州街道(都道256号八王子国立線)沿いにあります。下り斜線から出ないと駐車場に入れませんのでご注意ください。普通車18台、軽7台駐車可能です。普段は問題なく停められますが、三が日、梅まつりやあじさい祭りその他イベント時には混雑するのでご注意ください。尚、下の画像の奥に木が茂っている辺りが第六天神社(第六天社)になります。

谷保天満宮駐車場

谷保天満宮の駐車場。2017年6月21日あじさい園を見る際に撮影

梅まつり

谷保天満宮は多摩地域における梅の名所としても知られます。本数は約350本とそう多くはありませんが、都内の他の梅の名所に比べて見ごろを早く迎えるため、一足先に梅を楽しむことができます。神社の境内ですから入場料はかかりませんし、時間についても散策自由となっています。毎年2月のある土日を選んで梅まつりが行われます。日にちについては谷保天満宮の公式ホームページでご確認ください。また、2017年の梅の様子は「国立市谷保天満宮の梅園」をご覧ください。

あじさい祭り

谷保天満宮弁天池周辺にあるあじさい園で6月中に行われます。開催日は6月下旬の土曜日になるようですが、雨天の場合も含めて毎年確認した方が良いでしょう。ここ最近は虫害の影響もあってあじさいの花がイマイチ元気がありません。平成30年の6月もあじさいを見に行きましたが、カシワバアジサイが綺麗でした。

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